投与手順

以下の手順に従って、患者さんが確実に自己注射できるよう指導を行ってください。

注射の準備

  1. バイアルを室温に戻す

    リスティーゴの体重ごとの用量を確認し、必要な本数のバイアルを冷蔵庫から出して30分以上室温に置きます。

    この際、使用するバイアルのみを取り出し、残りは外箱ごと冷蔵庫に戻してください。

    体重別投与量はこちら
  2. 必要なものを準備する

    注射のためのスペースを確保し、必要なものを準備します。

    リスティーゴ自己注射準備シートをご使用ください。

    必要なものの例
    • リスティーゴのバイアル
    • インジェクションセット
    • 翼状針を固定するテープ
    • 充電したシリンジポンプ(シリンジポンプで投与する場合)
    リスティーゴ自己注射準備シート
    リスティーゴ®自己注射準備シート
  3. 用意したものに異常がないかを確認する

    バイアル(薬液)が以下に該当する場合は使用できません。

    • バイアルにひび割れ、液漏れ、破損がある
    • バイアルの保護キャップがない、または壊れている
    • 使用期限が切れている
    • 使用済みのバイアルである
    • バイアルが正しく保管されていなかった(保管の際に温度の条件が守られていなかった、直射日光に当たっていた、凍結しているなど)
    • 処方された用量と異なる
    • 薬液に異物が混ざっている/色に異常がある

    バイアル(薬液)以外のものについても異常がないか確認し、異常が認められる場合は使用しないでください。

  4. 手を洗う

    手を石鹸と水でよく洗い、清潔なタオルやペーパーなどで拭いてください。

  5. 翼状針の袋を開ける

    バイアル操作を行う前に、チューブ付き翼状針の袋を開けます。

    中身は取り出さず、袋の中に入れたままにしておき、使用時にすぐに取り出せるよう準備をしておきます。

    チューブ付き翼状針は、チューブの長さが29cmと60cmの2種類があります。

    手押し(マニュアルプッシュ)で投与する患者さん
    29cmを使用
    シリンジポンプを使用して投与する患者さん
    基本は60cmを使用
  6. バイアルの保護キャップを外し、消毒する

    バイアルの保護キャップを外し、1枚目のアルコール綿でバイアルのゴム栓を消毒後、乾くまで待ってください。

  7. ツートッ(採液針)をバイアルに取りつける
    透明のカバーごとツートック®(採液針)を持ち、バイアル接続部の内側の針を、バイアルのゴム栓部分に刺し込みます

    ツートッ(採液針)の包装を開け、透明のカバーごとツートッ(採液針)を持ちます。バイアル接続部の内側の針を、バイアルのゴム栓部分に刺し込みます。

    バイアルを2 本以上使用する患者さんは、あらかじめ必要本数にツートッ(採液針)を取りつけ、2本目以降はカバーを外さずに置いておきます。

  8. ツートッ(採液針)にシリンジを取り付ける

    バイアルを取りつけたツートッ(採液針)のカバーを外し、シリンジ接続口にシリンジをセットし、時計回りに回転させながらシリンジを取りつけます。

  9. シリンジに薬液を抜き取る

    バイアルを逆さにし、プランジャーをゆっくり引いてバイアルの中の薬液を抜き取ります。泡立ちやすいので、薬液を抜き取るときは、プランジャーをゆっくりと引いてください。大きな気泡がシリンジに入った場合、シリンジを軽く叩いてできるだけ泡を上に移動させ、プランジャーをゆっくりと押して気泡をシリンジから押し出してください。

  10. シリンジをツートッ(採液針)から外す

    シリンジを左回りに回転させて、ツートッ(採液針)からシリンジを取り外します。

  11. バイアルを2本以上使用する患者さんは、注射の準備8~10を繰り返す

    バイアルを2本以上使用する患者さんは、2本目以降のバイアルの薬液もシリンジ内に抜き取ります。

注射の手順

リスティーゴの投与方法は以下の2種類があります。

手押し(マニュアルプッシュ)で投与する方法
シリンジポンプを使用して投与する方法
手押し(マニュアルプッシュ)で投与する方法
  1. あらかじめ開封済みのチューブ付き翼状針(29cm)をリスティーゴ調製済みのシリンジに取りつけます。

    投与チューブのキャップを外し、チューブを時計回りに回転させながら、シリンジにセットします。

  2. プランジャーを押し、針先まで薬液で満たし、投与量に合わせる

    シリンジを上に向けて、プランジャーをゆっくりと押し、空気を抜いて針先まで薬液を満たします。

    シリンジの目盛りを体重ごとの投与量に合わせてください。

  3. 投与部位を決める
    投与部位はへそより下の左右下腹部から選びます

    投与部位はへそより下の左右下腹部から選びます。

    投与してはいけない部位
    • へそ周り5cm以内
    • 皮膚に異常がある部位(皮膚の異常の例:押すと痛い、赤い、あざがある、かたくなっている、きずあとがある)
  4. 投与部位の消毒

    アルコール綿を使用して、注射部位を広めに拭き、乾くまで10秒以上待ってください。消毒した注射部位には触らないでください。

  5. 投与部位の皮膚をつまみ、皮下組織に翼状針を刺す
    翼状針を持っていない方の手で、消毒した部位をしっかりつまみ、つまんだ皮膚に対して約60°の角度で針を刺します

    翼状針を持っていない方の手で、消毒した部位をしっかりつまみます。つまんだ皮膚に対して約60°の角度で針を刺します。針が完全に入ったらつまんだ皮膚を離します。

  6. 翼状針を固定する

    固定テープを用いて翼状針を固定します。

  7. プランジャーを押し込む

    プランジャーをゆっくりと押して薬液を全量投与します。

  8. 絆創膏を貼る準備をし、固定テープを外し、針を抜く

    シリンジをテーブルに置き、絆創膏を貼る準備をします。利き手にシリンジを持ち、固定テープを外し、針を抜きます。

  9. 注射部位に絆創膏を貼り、翼状針とシリンジを回収ボックスに入れる

    針先に触れないよう十分注意しながら、注射部位に絆創膏を貼ります。翼状針、シリンジの順で回収ボックスに入れます。

シリンジポンプを使用して投与する方法
  1. チューブ付き翼状針を、リスティーゴ調製済みのシリンジに取りつける

    あらかじめ開封済みのチューブ付き翼状針(60cm)をリスティーゴ調製済みのシリンジに取りつけます。

  2. シリンジポンプの設定を行う

    シリンジポンプの設定は、シリンジポンプの種類により異なる可能性があります。

    基本的な設定方法は以下の通りです。

    明るく安定した清潔な場所に充電したシリンジポンプを用意します。
    シリンジポンプの電源を入れます。
    チューブ付き翼状針を取りつけたシリンジをセットします。
    流量(投与速度)を設定します。20ml/h以下の速度で投与します。
    シリンジポンプの早送り機能を使用して、針先まで薬液で満たしながらシリンジ内の薬液を投与量に合わせます。
  3. 投与部位を決める
    投与部位はへそより下の左右下腹部から選びます

    投与部位はへそより下の左右下腹部から選びます。

    投与してはいけない部位
    • へそ周り5cm以内
    • 皮膚に異常がある部位(皮膚の異常の例:押すと痛い、赤い、あざがある、かたくなっている、きずあとがある)
  4. 投与部位の消毒

    アルコール綿を使用して、注射部位を広めに拭き、乾くまで10秒以上待ってください。消毒した注射部位には触らないでください。

  5. 投与部位の皮膚をつまみ、皮下組織に翼状針を刺す
    翼状針を持っていない方の手で、消毒した部位をしっかりつまみ、つまんだ皮膚に対して約60°の角度で針を刺します

    翼状針を持っていない方の手で、消毒した部位をしっかりつまみます。つまんだ皮膚に対して約60°の角度で針を刺します。針が完全に入ったらつまんだ皮膚を離します。

  6. 翼状針を固定する

    固定テープを用いて翼状針を固定します。

  7. シリンジポンプで投与を開始する

    開始スイッチを押して、投与を開始します。

  8. 薬液を全量投与し終えたらシリンジポンプを止める

    薬液を全量投与し終えたら、停止ボタンを押して、シリンジポンプを止めます。

  9. シリンジポンプからシリンジを外し、絆創膏を貼る準備をする

    シリンジポンプからシリンジを外し、シリンジをテーブルに置きます。絆創膏を貼る準備をします。

  10. 固定テープを外し、針を抜く

    利き手にシリンジを持ち、固定テープを外し、針を抜きます。

  11. 注射部位に絆創膏を貼り、翼状針とシリンジを回収ボックスに入れる

    針先に触れないよう十分注意しながら、注射部位に絆創膏を貼ります。翼状針、シリンジの順で回収ボックスに入れます。

片付け

  • 使用後のバイアル、ツートッ(採液針)、シリンジ、チューブ付き翼状針はすべて回収ボックスに入れて、1サイクル(6回)終了後、医療機関・薬局に持参するよう患者さんにご指導ください。
  • 使用済みのアルコール綿、絆創膏、投与チューブのキャップ、翼状針のキャップ、バイアルの保護キャップは、基本的に家庭ごみとして各市区町村の収集方法にしたがって捨てるよう患者さんにご指導ください。
  • シリンジポンプは1サイクル(6回)終了後、医療機関に返却するようご指導ください。

患者さん向けサポートツール

患者さん向けの自己注射をサポートする資材として、自己注射ガイドブック、自己注射準備シート、動画「自己注射をはじめるために」がございます。

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