海外第Ⅲ相二重盲検比較試験
(海外データ:尋常性乾癬患者を対象としたBE SURE試験) 1,2)
試験概要
- 主要目的
- 中等度〜重度の尋常性乾癬を有する外国人患者を対象に、ビンゼレックスを16週間皮下投与した時の有効性をアダリムマブと比較する。
- 対象
- 既存治療で効果不十分な中等度〜重度の外国人尋常性乾癬患者 478例
- ・18歳以上の患者
- ・スクリーニング前に尋常性乾癬と診断されてから6ヵ月以上経過している患者
- ・PASIスコアが12以上、病変BSAが10%以上、IGAスコアが5段階中3以上の患者
- ・乾癬に対する全身療法及び/又は光線療法の対象となり得る患者
- デザイン
- 多施設共同、無作為化、二重盲検、実薬対照、並行群間
- 投与方法
- ビンゼレックスQ4W群、ビンゼレックスQ4W/Q8W群又はアダリムマブ/ビンゼレックスQ4W群に1:1:1の割合で無作為に割り付け、用法及び用量は以下のとおりとした。
- ・ビンゼレックスQ4W群:導入期間(0〜16週時)及び維持期間(16〜56週時)を通じてビンゼレックス320mgを4週間隔で皮下投与
- ・ビンゼレックスQ4W/Q8W群:ビンゼレックス320mgを導入期間は4週間隔、維持期間は8週間隔で皮下投与
- ・アダリムマブ/ビンゼレックスQ4W群:アダリムマブ80mgを0週時、その後アダリムマブ40mgを1〜23週時まで2週間隔で皮下投与し、24週以降ビンゼレックス320mgを4週間隔で皮下投与
- 有効性評価項目
-
複合主要評価項目(検証項目):16週時のPASI90反応率、16週時のIGA 0/1達成率
副次評価項目:24、56週時のPASI90反応率、24、56週時のIGA 0/1達成率、4週時のPASI75反応率、16、24週時のPASI100反応率
その他の評価項目:PASI90 及びPASI100反応率、IGA 0/1達成率、PASIスコア(Absolute PASI)が1以下、2以下、3以下及び5以下の患者の割合 等
- 安全性評価項目
- 副次評価項目:曝露期間で補正した治験薬投与後に発現した有害事象、曝露期間で補正した重篤な有害事象、曝露期間で補正した治験薬の投与中止に至った有害事象
- 免疫原性評価項目
- 抗ビメキズマブ抗体(治験薬投与前及び投与後)
- 解析計画
- 複合主要評価項目及び特定の副次評価項目の統計解析は、両側有意水準0.05で、固定順序法を用いてファミリーワイズの第1種の過誤をコントロールし、多重性を考慮した。複合主要評価項目に対応する仮説検定として、16週時のPASI90反応率及びIGA 0/1達成率に関してアダリムマブに対するビンゼレックスの非劣性をそれぞれ検定した。非劣性について片側有意水準0.025で検定を行い、片側97.5%CI及び非劣性マージン10%に基づき評価した。非劣性が確認された場合には検定の続行が可能となり、α値を次の順序の検定に引き続き用いた。次の検定では、複合主要評価項目に関して、両側有意水準0.05でアダリムマブに対するビンゼレックスの優越性を評価し、両方の評価項目に関して優越性が確認された場合に限り、以降の検定を続行した。以降の検定は副次評価項目に関する仮説検定であり、アダリムマブに対するビンゼレックスの優越性を検定した。
複合主要評価項目において、主要解析は地域及び過去の生物学的製剤への曝露の有無を層別変数として用いた層別CMH検定に基づき実施した。Wald検定に基づくオッズ比及びそのCIを示した。
副次評価項目において、16、24週時のPASI100反応率、4週時のPASI75反応率、24週時のPASI90反応率及びIGA 0/1達成率について、主要解析と同様の層別CMH検定を用いてアダリムマブに対するビンゼレックスの優越性を検定した。
その他の評価項目において、特定の項目に関して、統計学的検定の実施及び推測統計量の算出を検討した。これらの検定は、多重性を考慮した検定手順に含まれていないため、算出されたp値は名目上の値であり、多重性は考慮されなかった。2値変数に関しては、主要解析に従い、地域及び過去の生物学的製剤への曝露の有無を層別変数として用いた層別CMH検定を用いた。CMH検定の一般連関統計量に基づきp値を算出した。
固定順序法:
以下の検定順序で、非劣性又は優越性が確認された場合に次の検定を実施することにより、全体としての有意水準を保った。
複合主要評価項目 | 16週時のPASI90反応率 及びIGA 0/1達成率 |
全ビンゼレックス群 対 アダリムマブ群 | 非劣性 |
---|---|---|---|
16週時のPASI90反応率 及びIGA 0/1達成率 |
全ビンゼレックス群 対 アダリムマブ群 | 優越性 | |
副次評価項目 | 16週時のPASI100反応率 | 全ビンゼレックス群 対 アダリムマブ群 | 優越性 |
4週時のPASI75反応率 | 全ビンゼレックス群 対 アダリムマブ群 | 優越性 | |
24週時のPASI100反応率 | 全ビンゼレックス群 対 アダリムマブ群 | 優越性 | |
24週時のPASI90反応率 | 全ビンゼレックス群 対 アダリムマブ群 | 優越性 | |
24週時のIGA 0/1達成率 | 全ビンゼレックス群 対 アダリムマブ群 | 優越性 | |
24週時のPASI100反応率 | ビンゼレックスQ4W群 対 アダリムマブ群 | 優越性 | |
24週時のPASI90反応率 | ビンゼレックスQ4W群 対 アダリムマブ群 | 優越性 | |
24週時のIGA 0/1達成率 | ビンゼレックスQ4W群 対 アダリムマブ群 | 優越性 |
他の評価項目については固定順序法は用いず、有意水準の調整は実施しなかった。
- 試験デザイン
-
PASI90反応率[16週時:複合主要評価項目(検証項目)、24、56週時:副次評価項目]
IGA 0/1達成率[16週時:複合主要評価項目(検証項目)、24、56週時:副次評価項目]
16週時のPASI90反応率は全ビンゼレックス群86.2%及びアダリムマブ群47.2%で、全ビンゼレックス群のアダリムマブ群に対する非劣性※(リスク差の95%CI:30.9〜47.7)及び優越性が検証された(p<0.001、層別CMH検定)。
24週時ではビンゼレックスQ4W/Q8W群85.1%、ビンゼレックスQ4W群86.1%及び全ビンゼレックス群85.6%で、アダリムマブ群51.6%に比べ有意に高いことが示された(p<0.001、層別CMH検定)。56週時ではビンゼレックスQ4W/Q8W群82.6%、ビンゼレックスQ4W群84.8%、全ビンゼレックス群83.7%であった。
- ※:非劣性の検定について、片側有意水準0.025、片側97.5%CI及び非劣性マージン10%に基づき判定した。
- PASI90反応率
-
解析対象:無作為化解析対象集団
層別CMH検定(層別変数:地域及び過去の生物学的製剤への曝露の有無)
NRI法を用いて欠測値を補完した。複合主要評価項目結果:16週時のPASI90反応率及びIGA 0/1達成率において、全ビンゼレックス群のアダリムマブ群に対する非劣性※[リスク差の95%CI:30.9~47.7(PASI90反応率)、19.7〜6.7(IGA 0/1達成率)]及び優越性が検証された(p<0.001、CMH検定)。
- IGA 0/1達成率
-
解析対象:無作為化解析対象集団
層別CMH検定(層別変数:地域及び過去の生物学的製剤への曝露の有無)
NRI法を用いて欠測値を補完した。
PASI90反応率:PASIスコアがベースラインから90%以上改善した患者の割合
IGA 0/1達成率:IGAスコアがベースラインから2段階以上改善し、0(消失)又は1(ほぼ消失)となった患者の割合
無作為化解析対象集団:無作為に割り付けられた患者
NRI法:Non-Responder Imputation(非改善例データ補完法)、対象となる時点でデータが欠損している患者を非改善例として扱う補完手法
PASI100反応率[16、24週時:副次評価項目]
16週時のPASI100反応率は全ビンゼレックス群60.8%で、アダリムマブ群23.9%に比べ有意に高いことが示された(p<0.001、層別CMH検定)。24週時ではビンゼレックスQ4W/Q8W群65.8%、ビンゼレックスQ4W群67.7%及び全ビンゼレックス群66.8%で、アダリムマブ群29.6%に比べ有意に高いことが示された(p<0.001、層別CMH検定)。

解析対象:無作為化解析対象集団
層別CMH検定(層別変数:地域及び過去の生物学的製剤への曝露の有無)
NRI法を用いて欠測値を補完した。
Absolute PAS I[ その他の評価項目]
16週時のPASIスコアが1以下、2以下及び3以下の患者の割合は、ビンゼレックスQ4W/Q8W群でそれぞれ72.0%、87.0%及び91.3%、ビンゼレックスQ4W群でそれぞれ81.0%、88.6%及び91.1%、全ビンゼレックス群でそれぞれ76.5%、87.8%及び91.2%、アダリムマブ群でそれぞれ37.1%、54.1%及び63.5%であった。24週時ではビンゼレックスQ4W/Q8W群でそれぞれ78.3%、87.0%及び89.4%、ビンゼレックスQ4W群でそれぞれ81.0%、86.1%及び89.9%、全ビンゼレックス群でそれぞれ79.6%、86.5%及び89.7%、アダリムマブ群でそれぞれ42.1%、55.3%及び64.2%であった。56週時ではビンゼレックスQ4W/Q8W群でそれぞれ76.4%、83.9%及び86.3%、ビンゼレックスQ4W群でそれぞれ79.1%、85.4%及び86.7%、全ビンゼレックス群でそれぞれ77.7%、84.6%及び86.5%であった。
- ビンゼレックスQ4W/Q8W群
-
- ビンゼレックスQ4W群
-
解析対象:無作為化解析対象集団
NRI法を用いて欠測値を補完した。
- 全ビンゼレックス群
-
解析対象:無作為化解析対象集団
NRI法を用いて欠測値を補完した。
- アダリムマブ群
-
解析対象:無作為化解析対象集団
NRI法を用いて欠測値を補完した。
Absolute PASIは投与後の重症度判定の指標となり得るもので、Absolute PASIが2又は3以下の達成が治療成功の指標として提唱されている3)。
有害事象
24週時までの治験薬と関連ありと判断された有害事象は、全ビンゼレックス群319例中87例(27.3%)、アダリムマブ群159例中38例(23.9%)に認められた。治験薬と関連ありと判断された主な有害事象は全ビンゼレックス群で口腔カンジダ症32例(10.0%)、鼻咽頭炎17例(5.3%)、アダリムマブ群で鼻咽頭炎12例(7.5%)、上気道感染5例(3.1%)であった。重篤な有害事象は全ビンゼレックス群で5例(自然流産、蜂巣炎各1例等)、アダリムマブ群で5例(尿路結石、頚動脈狭窄各1例等)、投与中止に至った有害事象は全ビンゼレックス群で9例(肝酵素上昇2例、下痢1例等)、アダリムマブ群で5例(肝酵素上昇、アルコール性肝炎各1例等)にみられた。死亡に至った有害事象はアダリムマブ群で1例(舌扁平上皮癌)に認められた。
ビンゼレックス解析対象集団における、導入期間+維持期間(0〜56週時)の治験薬と関連ありと判断された有害事象は、ビンゼレックスQ8W投与時154例中46例(29.9%)、ビンゼレックスQ4W投与時468例中142例(30.3%)、全ビンゼレックス投与468例中167例(35.7%)であった。治験薬と関連ありと判断された主な有害事象はビンゼレックスQ8W投与時で口腔カンジダ症16例(10.4%)、鼻咽頭炎7例(4.5%)、ビンゼレックスQ4W投与時で口腔カンジダ症58例(12.4%)、
鼻咽頭炎20例(4.3%)、全ビンゼレックス投与で口腔カンジダ症67例(14.3%)、鼻咽頭炎24例(5.1%)であった。重篤な有害事象はビンゼレックスQ8W投与時で8例(虫垂炎、結腸癌各1例等)、ビンゼレックスQ4W投与時で16例(蜂巣炎3例、自然流産1例等)、全ビンゼレックス投与で24例(蜂巣炎3例、自然流産1例等)、投与中止に至った有害事象はビンゼレックスQ8W投与時で5例(肝酵素上昇2例、脱毛症1例等)、ビンゼレックスQ4W投与時で14例(肝酵素上昇、脱毛症各1例等)、全ビンゼレックス投与で19例(肝酵素上昇3例、脱毛症2例等)にみられた。死亡に至った有害事象は認められなかった。
(MedDRA ver.19.0)
PASI:Psoriasis Area and Severity Index(乾癬面積・重症度指標)、PASI50は臨床的に意義のある改善、PASI75は臨床試験の一次エンドポイント、PASI90はほぼ完全な皮膚症状の消失、PASI100は完全な皮膚症状の消失を意味する。
BSA:Body Surface Area(体表面積)
病変BSA:BSAに対する乾癬の病変面積の割合
IGA:Investigator’s Global Assessment(医師による全般的評価)、0:消失、1:ほぼ消失、2:軽度、3:中等度、4:重度の5段階評価
Q4W:every 4 weeks(4週間隔)
Q8W:every 8 weeks(8週間隔)
PASI75/90/100反応率:PASIスコアがベースラインからそれぞれ75%以上、90%以上及び100%改善した患者の割合
IGA 0/1達成率:IGAスコアがベースラインから2段階以上改善し、0(消失)又は1(ほぼ消失)となった患者の割合
CI:Confidence Interval (信頼区間)
CMH(Cochran-Mantel Haenszel)検定:第三のカテゴリー変数により層別化された複数のクロス表を統合して解析する統計手法。
年齢区分、研究の実施施設、疾患の有無等のようにクロス表解析の結果に影響を与える可能性のある因子を補正する際に用いられる。
無作為化解析対象集団:無作為に割り付けられた患者
NRI法:Non-Responder Imputation(非改善例データ補完法)、対象となる時点でデータが欠損している患者を非改善例として扱う補完手法
- 6. 用法及び用量
- 通常、成人にはビメキズマブ(遺伝子組換え)として、1回320mgを初回から16週までは4週間隔で皮下注射し、以降は8週間隔で皮下注射する。なお、患者の状態に応じて16週以降も4週間隔で皮下注射できる。
- 6. 用法及び用量(抜粋)
(アダリムマブ) - 〈尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬〉
通常、成人にはアダリムマブ(遺伝子組換え)として初回に80mgを皮下注射し、以後2週に1回、40mgを皮下注射する。なお、効果不十分な場合には1回80mgまで増量できる。
- 1) 承認時評価資料:海外第Ⅲ相二重盲検比較試験 PS0008試験(BE SURE試験)
- 2) Warren RB. et al.:N Engl J Med. 385:130-141, 2021
利益相反:本論文の研究資金はUCB Pharmaから提供を受けたものである。 - 3) Zheng J.:Br J Dermatol. 176:576, 2017
国際共同第Ⅲ相二重盲検比較試験
(国内及び海外データ:尋常性乾癬患者を対象としたBE VIVID試験)4,5)
試験概要
- 主要目的
- 中等度〜重度の尋常性乾癬を有する患者を対象に、ビンゼレックスを16週間皮下投与した時の有効性をプラセボと比較する。
- 対象
- 既存治療で効果不十分な中等度〜重度の尋常性乾癬患者 567例(日本人108例を含む)
- ・18歳以上の患者
- ・スクリーニング前に尋常性乾癬と診断されてから6ヵ月以上経過している患者
- ・PASIスコアが12以上、病変BSAが10%以上、IGAスコアが5段階中3以上の患者
- ・乾癬に対する全身療法及び/又は光線療法の対象となり得る患者
- デザイン
- 多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ及び実薬対照、並行群間
- 投与方法
- プラセボ/ビンゼレックスQ4W群、ビンゼレックスQ4W群又はウステキヌマブ群に1:4:2の割合で無作為に割り付け、用法及び用量は以下のとおりとした。
- ・プラセボ/ビンゼレックスQ4W群:導入期間(0〜16週時)にプラセボ、維持期間(16〜52週時)にビンゼレックス320mgを4週間隔で皮下投与
- ・ビンゼレックスQ4W群:導入期間及び維持期間を通じてビンゼレックス320mgを4週間隔で皮下投与
- ・ウステキヌマブ群:ベースラインの体重に基づき、ウステキヌマブ45mg(体重100kg以下の患者)又は90mg(体重100kg超の患者)を導入期間は0及び4週時に、維持期間は12週間隔で皮下投与
- 有効性評価項目
-
複合主要評価項目(検証項目):16週時のPASI90反応率、16週時のIGA 0/1達成率
副次評価項目:16週時のPASI100反応率、16週時のIGA 0達成率、4週時のPASI75反応率、16週時の患者症状日誌(PSD)改善率、16週時のscalp-IGA 0/1達成率、12、52週時のPASI90反応率、12、52週時のIGA 0/1達成率
その他の評価項目:PASI90及びPASI100反応率、PASIスコア(Absolute PASI)のベースラインからの変化量及び変化率 等
- 安全性評価項目
- 副次評価項目:曝露期間で補正した治験薬投与後に発現した有害事象、曝露期間で補正した重篤な有害事象、曝露期間で補正した治験薬の投与中止に至った有害事象
- 免疫原性評価項目
- 抗ビメキズマブ抗体(治験薬投与前及び投与後)
- 解析計画
- 複合主要評価項目及び特定の副次評価項目の統計解析は、両側有意水準0.05で、固定順序法を用いてファミリーワイズの第1種の過誤をコントロールし、多重性を考慮した。複合主要評価項目に対応する仮説検定として、16週時のPASI90反応率及びIGA 0/1達成率に関してプラセボに対するビンゼレックスの優越性をそれぞれ検定した。両検定の結果、両側有意水準0.05で仮説が棄却された場合には検定の続行が可能となり、α値を次の順序の検定に引き続き用いた。以降の検定は副次評価項目に関する仮説検定であり、ウステキヌマブに対するビンゼレックスの非劣性/優越性、又はプラセボに対するビンゼレックスの優越性を検定した。非劣性について片側有意水準0.025で検定を行い、片側97.5%CI及び非劣性マージン10%に基づき評価した。
複合主要評価項目において、主要解析は地域及び過去の生物学的製剤への曝露の有無を層別変数として用いた層別CMH検定に基づき実施した。
副次評価項目において、16週時のPASI100反応率、16週時のIGA 0達成率、4週時のPASI75反応率、12週時のPASI90反応率及びIGA 0/1達成率について、主要解析と同様の層別CMH検定を用いて非劣性/優越性を検定した。16週時のscalp-IGA 0/1達成率では、主要解析と同様の層別CMH検定を行った。患者症状日誌の3項目(掻痒、疼痛及び落屑)は、それぞれを主な副次評価項目として各項目に対する有効性を確認する目的で解析し、主要解析と同様の層別CMH検定を用いた。掻痒、疼痛及び落屑の各項目に対して多重性を考慮した検定手順を用いて推測統計解析を実施した。
その他の評価項目において、特定の項目に関して、統計学的検定の実施及び推測統計量の算出を検討した。これらの検定は、多重性を考慮した検定手順に含まれていないため、算出されたp値は名目上の値であり、多重性は考慮されなかった。2値変数に関しては、主要解析に従い、地域及び過去の生物学的製剤への曝露の有無を層別変数として用いた層別CMH検定を用いた。CMH検定の一般連関統計量に基づきp値を算出した。
年齢、性別、罹病期間、地域等においてサブグループ解析を行うことが事前に規定されていた。
固定順序法:
以下の検定順序で、非劣性又は優越性が確認された場合に次の検定を実施することにより、全体としての有意水準を保った。
複合主要評価項目 | 16週時のPASI90反応率及びIGA 0/1達成率 | ビンゼレックスQ4W群 対 プラセボ群 | 優越性 |
---|---|---|---|
副次評価項目 | 16週時のPASI100反応率 | ビンゼレックスQ4W群 対 プラセボ群 | 優越性 |
16週時のIGA 0達成率 | ビンゼレックスQ4W群 対 プラセボ群 | 優越性 | |
16週時のPASI90反応率 | ビンゼレックスQ4W群 対 ウステキヌマブ群 | 非劣性 | |
16週時のIGA 0/1達成率 | ビンゼレックスQ4W群 対 ウステキヌマブ群 | 非劣性 | |
16週時のPASI90反応率 | ビンゼレックスQ4W群 対 ウステキヌマブ群 | 優越性 | |
16週時のIGA 0/1達成率 | ビンゼレックスQ4W群 対 ウステキヌマブ群 | 優越性 | |
12週時のPASI90反応率 | ビンゼレックスQ4W群 対 ウステキヌマブ群 | 優越性 | |
12週時のIGA 0/1達成率 | ビンゼレックスQ4W群 対 ウステキヌマブ群 | 優越性 | |
4週時のPASI75反応率 | ビンゼレックスQ4W群 対 プラセボ群 | 優越性 | |
4週時のPASI75反応率 | ビンゼレックスQ4W群 対 ウステキヌマブ群 | 優越性 | |
16週時の疼痛に基づくPSD改善率 | ビンゼレックスQ4W群 対 プラセボ群 | 優越性 | |
16週時の掻痒に基づくPSD改善率 | ビンゼレックスQ4W群 対 プラセボ群 | 優越性 | |
16週時の落屑に基づくPSD改善率 | ビンゼレックスQ4W群 対 プラセボ群 | 優越性 | |
16週時のscalp-IGA 0/1達成率 | ビンゼレックスQ4W群 対 プラセボ群優 | 優越性 | |
52週時のPASI90反応率 | ビンゼレックスQ4W群 対 ウステキヌマブ群 | 優越性 | |
52週時のIGA 0/1達成率 | ビンゼレックスQ4W群 対 ウステキヌマブ群 | 優越性 |
他の評価項目については固定順序法は用いず、有意水準の調整は実施しなかった。
- 試験デザイン
-
PASI90反応率[16週時:複合主要評価項目(検証項目)、12、52週時:副次評価項目]
IGA 0/1達成率[16週時:複合主要評価項目(検証項目)、12、52週時:副次評価項目]
16週時のPASI90反応率はプラセボ群4.8%、ビンゼレックスQ4W群85.0%及びウステキヌマブ群49.7%で、ビンゼレックスQ4W群はプラセボ群に比べ有意に高く、ビンゼレックスQ4W群のプラセボ群に対する優越性が検証された(p<0.001、層別CMH検定)。また、ビンゼレックスQ4W群のウステキヌマブ群に対する非劣性(リスク差の95%CI:27.0〜43.4)及び優越性が検証された(p<0.001、層別CMH検定)※。
12週時のPASI90反応率はビンゼレックスQ4W群85.0%で、プラセボ群2.4%及びウステキヌマブ群43.6%に比べ有意に高いことが示された(p<0.001、層別CMH検定)。52週時ではビンゼレックスQ4W群81.6%で、ウステキヌマブ群55.8%に比べ有意に高いことが示された(p<0.001、層別CMH検定)。
- ※:ウステキヌマブ群に対する非劣性及び優越性の検証は副次評価項目。非劣性の検定について、片側有意水準0.025、片側97.5%CI及び非劣性マージン10%に基づき判定した。
- PASI90反応率
-
解析対象:無作為化解析対象集団
層別CMH検定(層別変数:地域及び過去の生物学的製剤への曝露の有無)
NRI法を用いて欠測値を補完した。複合主要評価項目結果:16週時のPASI90反応率及びIGA 0/1達成率において、プラセボ群に対するビンゼレックスQ4W群の優越性が検証された(p<0.001、CMH検定) 。
- IGA 0/1達成率
-
解析対象:無作為化解析対象集団
層別CMH検定(層別変数:地域及び過去の生物学的製剤への曝露の有無)
NRI法を用いて欠測値を補完した。
PASI100反応率[16週時:副次評価項目]
16週時のPASI100反応率はビンゼレックスQ4W群58.6%で、プラセボ群0%及びウステキヌマブ群20.9%に比べ有意に高いことが示された(p<0.001、層別CMH検定)。

解析対象:無作為化解析対象集団
層別CMH検定(層別変数:地域及び過去の生物学的製剤への曝露の有無)
NRI法を用いて欠測値を補完した。
Absolute PAS I[その他の評価項目]
16週時のPASIスコアが1以下、2以下及び3以下の患者の割合は、ビンゼレックスQ4W群でそれぞれ76.9%、85.0%及び89.1%、ウステキヌマブ群でそれぞれ35.0%、51.5%及び62.6%、プラセボ群でそれぞれ2.4%、3.6%及び4.8%であった。52週時ではビンゼレックスQ4W群でそれぞれ77.3%、81.6%及び83.2%、ウステキヌマブ群でそれぞれ46.0%、60.1%及び68.1%であった。
- ビンゼレックスQ4W群/プラセボ群
-
解析対象:無作為化解析対象集団
NRI法を用いて欠測値を補完した。
- ウステキヌマブ群/プラセボ群
-
解析対象:無作為化解析対象集団
NRI法を用いて欠測値を補完した。
Absolute PASIは投与後の重症度判定の指標となり得るもので、Absolute PASIが2又は3以下の達成が治療成功の指標として提唱されている3)。
有害事象
導入期間(0〜16週時)の治験薬と関連ありと判断された有害事象は、プラセボ群83例中8例(9.6%)、ビンゼレックスQ4W群321例中79例(24.6%)、ウステキヌマブ群163例中19例(11.7%)に認められた。治験薬と関連ありと判断された主な有害事象はプラセボ群で下痢2例(2.4%)、鼻咽頭炎1例(1.2%)、ビンゼレックスQ4W群で口腔カンジダ症22例(6.9%)、鼻咽頭炎9例(2.8%)、ウステキヌマブ群で鼻咽頭炎6例(3.7%)、筋肉痛2例(1.2%)であった。重篤な有害事象はプラセボ群で2例(食道腺癌・各種物質毒性、腱損傷)、ビンゼレックスQ4W群で5例(急性心筋梗塞、心停止各1例等)、ウステキヌマブ群で5例(脳損傷、心停止各1例等)、投与中止に至った有害事象はプラセボ群で6例(乾癬2例、下痢1例等)、ビンゼレックスQ4W群で6例(心停止、潰瘍性大腸炎各1例等)、ウステキヌマブ群で3例(脳損傷、心停止各1例等)、死亡に至った有害事象はプラセボ群で1例(食道腺癌)、ビンゼレックスQ4W群で1例(心停止)、ウステキヌマブ群で1例(心停止・心臓損傷・脳損傷)に認められた。
実薬投与解析対象集団における、導入期間+維持期間(0〜52週時)の治験薬と関連ありと判断された有害事象は、全ビンゼレックス投与395例中147例(37.2%)、ウステキヌマブ群163例中33例(20.2%)に認められた。治験薬と関連ありと判断された主な有害事象は全ビンゼレックス投与で口腔カンジダ症49例(12.4%)、鼻咽頭炎25例(6.3%)、ウステキヌマブ群で鼻咽頭炎12例(7.4%)、口腔ヘルペス2例(1.2%)であった。重篤な有害事象は全ビンゼレックス投与で24例(急性心筋梗塞、心筋梗塞各2例等)、ウステキヌマブ群で12例(心停止、黄斑円孔各1例等)、投与中止に至った有害事象は全ビンゼレックス投与で21例(口腔カンジダ症、乾癬各3例等)、ウステキヌマブ群で7例(心停止、アルコール性肝炎各1例等)、死亡に至った有害事象は全ビンゼレックス投与で2例(心停止、死亡)、ウステキヌマブ群で1例(心停止・心臓損傷・脳損傷)に認められた。
(MedDRA ver.19.0)
PASI90反応率
[16週時:複合主要評価項目の日本人サブグループ解析、12、52週時:副次評価項目の日本人サブグループ解析]
16週時のPASI90反応率はビンゼレックスQ4W群85.5%で、プラセボ群5.9%及びウステキヌマブ群51.7%に比べ有意に高いことが示された(p<0.001、層別CMH検定)。
12週時のPASI90反応率はビンゼレックスQ4W群85.5%で、プラセボ群0%及びウステキヌマブ群41.4%に比べ有意に高いことが示された(p<0.001、層別CMH検定)。52週時ではビンゼレックスQ4W群80.6%で、ウステキヌマブ群48.3%に比べ有意に高いことが示された(p<0.01、層別CMH検定)。

解析対象:無作為化解析対象集団
層別CMH検定(層別変数:地域及び過去の生物学的製剤への曝露の有無)
NRI法を用いて欠測値を補完した。
複合主要評価項目結果:16週時のPASI90反応率及びIGA 0/1達成率において、プラセボ群に対するビンゼレックスQ4W群の優越性が検証されました(p<0.001、CMH検定)。
PASI100反応率[16週時:副次評価項目の日本人サブグループ解析]
16週時のPASI100反応率はビンゼレックスQ4W群51.6%で、プラセボ群0%及びウステキヌマブ群13.8%に比べ有意に高いことが示された(p<0.001、層別CMH検定)。

解析対象:無作為化解析対象集団
層別CMH検定(層別変数:地域及び過去の生物学的製剤への曝露の有無)
NRI法を用いて欠測値を補完した。
Absolute PASI[その他の評価項目の日本人サブグループ解析]
16週時のPASIスコアが1以下、2以下及び3以下の患者の割合は、ビンゼレックスQ4W群でそれぞれ72.6%、87.1%及び93.5%、ウステキヌマブ群でそれぞれ31.0%、55.2%及び65.5%、プラセボ群でそれぞれ0%、0%及び5.9%であった。52週時ではビンゼレックスQ4W群でそれぞれ74.2%、80.6%及び82.3%、ウステキヌマブ群でそれぞれ31.0%、48.3%及び58.6%であった。
- ビンゼレックスQ4W群/プラセボ群
-
解析対象:無作為化解析対象集団
NRI法を用いて欠測値を補完した。
- ウステキヌマブ群/プラセボ群
-
解析対象:無作為化解析対象集団
NRI法を用いて欠測値を補完した。
有害事象
導入期間(0〜16週時)の治験薬と関連ありと判断された有害事象は、プラセボ群17例中1例(5.9%)、ビンゼレックスQ4W群62例中19例(30.6%)、ウステキヌマブ群29例中5例(17.2%)であった。治験薬と関連ありと判断された主な有害事象はプラセボ群で乾癬1例(5.9%)、ビンゼレックスQ4W群で口腔カンジダ症6例(9.7%)、口角口唇炎2例(3.2%)、ウステキヌマブ群で筋肉痛2例(6.9%)、蜂巣炎1例(3.4%)であった。重篤な有害事象はビンゼレックスQ4W群で1例(頭蓋内動脈瘤)、ウステキヌマブ群で1例(黄斑円孔)、投与中止に至った有害事象はプラセボ群1例(乾癬)、ビンゼレックスQ4W群で1例(肝酵素上昇)、ウステキヌマブ群で1例(乾癬様皮膚炎)でした。死亡に至った有害事象は認められなかった。
実薬投与解析対象集団における、導入期間+維持期間(0〜52週時)の治験薬と関連ありと判断された有害事象は、全ビンゼレックス投与77例中33例(42.9%)、ウステキヌマブ群29例中8例(27.6%)であった。治験薬と関連ありと判断された主な有害事象は全ビンゼレックス投与で口腔カンジダ症12例(15.6%)、足部白癬4例(5.2%)、ウステキヌマブ群で筋肉痛2例(6.9%)、歯周病1例(3.4%)であった。重篤な有害事象は全ビンゼレックス投与で5例(食道カンジダ症、上腕骨骨折各1例等)、ウステキヌマブ群で2例(黄斑円孔、糖尿病)、投与中止に至った有害事象は全ビンゼレックス投与で6例(口腔カンジダ症2例、薬物性肝障害1例等)、ウステキヌマブ群で2例(糖尿病、乾癬様皮膚炎)であった。死亡に至った有害事象は認められなかった。
PASI:Psoriasis Area and Severity Index(乾癬面積・重症度指標)、PASI50は臨床的に意義のある改善、PASI75は臨床試験の一次エンドポイント、PASI90はほぼ完全な皮膚症状の消失、PASI100は完全な皮膚症状の消失を意味する。
BSA:Body Surface Area(体表面積)
病変BSA:BSAに対する乾癬の病変面積の割合
IGA:Investigator’s Global Assessment(医師による全般的評価)、0:消失、1:ほぼ消失、2:軽度、3:中等度、4:重度の5段階評価
Q4W:every 4 weeks(4週間隔)
Q8W:every 8 weeks(8週間隔)
PASI75/90/100反応率:PASIスコアがベースラインからそれぞれ75%以上、90%以上及び100%改善した患者の割合
IGA 0/1達成率:IGAスコアがベースラインから2段階以上改善し、0(消失)又は1(ほぼ消失)となった患者の割合
患者症状日誌:Patient Symptom Diary(PSD)
患者症状日誌(PSD)改善率:中等度〜重度の尋常性乾癬患者における主要な症状の評価のために、UCBが開発したPSDを用いた評価方法。14項目の症状から構成され、過去24時間の症状の重症度、程度及び影響の大きさを0-10の11段階で患者自身が評価した。項目とバリデーションについては以下の文献を参照。 Gottlieb AB. et al.:Dermatol Ther(Heidelb). 10:1255-1272, 2020(https://doi.org/10.1007/s13555-020-00434-3) 本試験では、患者症状日誌の主要な3項目(疼痛、掻痒及び落屑)を副次評価項目とし、スコアが疼痛では1.98以上、掻痒では2.39以上、落屑では2.86以上の改善を達成した患者の割合を示す。
scalp-IGA:scalp-specific Investigator’s Global Assessment(医師による頭皮乾癬の全般的評価)
scalp-IGA 0/1達成率:scalp-IGAスコアがベースラインから2段階以上改善し、0(消失)又は1(ほぼ消失)となった患者の割合
CI:Confidence Interval (信頼区間)
CMH(Cochran-Mantel Haenszel)検定:第三のカテゴリー変数により層別化された複数のクロス表を統合して解析する統計手法。年齢区分、研究の実施施設、疾患の有無等のようにクロス表解析の結果に影響を与える可能性のある因子を補正する際に用いられる。
無作為化解析対象集団:無作為に割り付けられた患者 NRI法:Non-Responder Imputation(非改善例データ補完法)、対象となる時点でデータが欠損している患者を非改善例として扱う補完手法
- 6. 用法及び用量
- 通常、成人にはビメキズマブ(遺伝子組換え)として、1回320mgを初回から16週までは4週間隔で皮下注射し、以降は8週間隔で皮下注射する。なお、患者の状態に応じて16週以降も4週間隔で皮下注射できる。
- 6. 用法及び用量(抜粋)
(ウステキヌマブ) - 〈尋常性乾癬及び関節症性乾癬〉
通常、成人にはウステキヌマブ(遺伝子組換え)として1回45mgを皮下投与する。初回投与及びその4週後に投与し、以降12週間隔で投与する。ただし、効果不十分な場合には1回90mgを投与することができる。
- 4) 承認時評価資料:国際共同第Ⅲ相二重盲検比較試験 PS0009試験(BE VIVID試験)
- 5) Reich K. et al.:Lancet. 397:487-498, 2021
利益相反:本論文の研究資金はUCB Pharmaから提供を受けたものである。
海外第Ⅲb相二重盲検比較試験
(海外データ:尋常性乾癬患者を対象としたBE RADIANT試験)6,7)
試験概要
- 主要目的
- 中等度〜重度の尋常性乾癬を有する外国人患者を対象に、ビンゼレックスを16週間皮下投与した時の有効性[乾癬症状の完全消失の達成(PASI100反応率)]をセクキヌマブと比較する。
- 対象
- 既存治療で効果不十分な中等度〜重度の外国人尋常性乾癬患者 743例
・18歳以上の患者
・スクリーニング前に尋常性乾癬と診断されてから6ヵ月以上経過している患者
・PASIスコアが12以上、病変BSAが10%以上、IGAスコアが5段階中3以上の患者
・乾癬に対する全身療法及び/又は光線療法の対象となり得る患者
- デザイン
- 多施設共同、無作為化、二重盲検、実薬対照、並行群間
- 投与方法
-
導入期間(0~16週時)[無作為化解析対象集団(RS):743例]
ビンゼレックスQ4W群又はセクキヌマブ群に1:1の割合で無作為に割り付け、用法及び用量は以下のとおりとした。
・ビンゼレックスQ4W群:ビンゼレックス320mgを4週間隔で皮下投与
・セクキヌマブ群:セクキヌマブ300mgを4週時まで毎週皮下投与後、16週時まで4週間隔で皮下投与
維持期間(16~48週時)[維持期間解析対象集団(MS):716例]
導入期間にビンゼレックスQ4W群であった患者は、治験実施計画書改訂前(初版)に導入期間を終了した場合は、維持期間もビンゼレックス320mgを4週間隔で継続投与し、治験実施計画書改訂後(改訂第1版)に導入期間を終了した場合は、ビンゼレックスQ4W/Q4W群又はビンゼレックスQ4W/Q8W群に1:2の割合で無作為に再割り付けされた。用法及び用量は以下のとおりとした。
・ビンゼレックスQ4W/Q4W群:16週以降もビンゼレックス320mgを4週間隔で皮下投与
・ビンゼレックスQ4W/Q8W群:16週以降はビンゼレックス320mgを8週間隔で皮下投与
・セクキヌマブ群:16週以降もセクキヌマブ300mgを4週間隔で皮下投与
非盲検継続投与期間(48~144週時)
二重盲検期間終了後、任意の非盲検期間への参加を可とし、すべての患者がビンゼレックス320mgを4週間隔又は8週間隔で皮下投与
- 有効性評価項目
-
主要評価項目(検証項目):16週時のPASI100反応率
副次評価項目: 4週時のPASI75反応率、16週時のPASI90反応率、48週時のPASI100反応率、16週時のIGA0/1達成率
その他の評価項目:PASI90反応率、PASIスコア(Absolute PASI)が1以下、2以下、3以下及び5以下の患者の割合 等
- 安全性評価項目
-
副次評価項目: 曝露期間で補正した治験薬投与後に発現した有害事象、曝露期間で補正した重篤な有害事象、曝露期間で補正した治験薬の投与中止に至った有害事象
- 免疫原性評価項目
-
抗ビメキズマブ抗体(治験薬投与前及び投与後)
- 解析計画
-
主要評価項目及び特定の副次評価項目の統計解析は、両側有意水準0.05で、固定順序法を用いてファミリーワイズの第1種の過誤をコントロールし、多重性を考慮した。主要評価項目に対応する仮説検定として、16週時のPASI100反応率に関してセクキヌマブに対するビンゼレックスの非劣性及び優越性をそれぞれ検定した。両検定の結果、両側有意水準0.05で仮説が棄却された場合には検定の続行が可能となり、α値を次の順序の検定に引き続き用いた。仮説が棄却されなかった場合には、以降の検定でp値を算出しなかった。以降の検定は副次評価項目に関する仮説検定であり、セクキヌマブに対するビンゼレックスの優越性を検定した。
主要評価項目において、主要解析は地域及び過去の生物学的製剤への曝露の有無を層別変数として用いた層別CMH検定に基づき実施した。セクキヌマブに対するビンゼレックスの非劣性の検定では、非劣性マージンを10%とし、層別CMH検定のリスク差の97.5%CI下限値が-10%を上回った場合に非劣性と判定した。
副次評価項目において、48週時のPASI100反応率、4週時のPASI75反応率、16週時のPASI90反応率及びIGA0/1達成率について、主要解析と同様の層別CMH検定を用いてビンゼレックスとセクキヌマブを比較した。16週時のPASI90反応率及びIGA 0/1達成率は閉検定手順に含まれていないため、算出したp値は名目上の値として扱った。
固定順序法:
以下の検定順序で、非劣性又は優越性が確認された場合に次の検定を実施することにより、全体としての有意水準を保った。
主要評価項目 | 16週時のPASI100反応率 | ビンゼレックスQ4W群 対 セクキヌマブ群 | 非劣性 |
---|---|---|---|
16週時のPASI100反応率 | ビンゼレックスQ4W群 対 セクキヌマブ群 | 優越性 | |
副次評価項目 | 4週時のPASI75反応率 | ビンゼレックスQ4W群 対 セクキヌマブ群 | 優越性 |
48週時のPASI100反応率 | ビンゼレックスQ4W群 対 セクキヌマブ群 | 優越性 | |
48週時のPASI100反応率※ | ビンゼレックスQ4W/Q4W群 対 セクキヌマブ群 | 優越性 | |
48週時のPASI100反応率※ | ビンゼレックスQ4W/Q8W群 対 セクキヌマブ群 | 優越性 |
※:維持期間解析対象集団
他の評価項目については固定順序法は用いず、有意水準の調整は実施しなかった。
- 試験デザイン
-
16週時のPASI100反応率[主要評価項目(検証項目)]
16週時のPASI100反応率はビンゼレックスQ4W群61.7%、セクキヌマブ群48.9%で、ビンゼレックスQ4W群のセクキヌマブ群に対する非劣性※(リスク差の95%CI:5.800〜19.610)及び優越性が検証された(p<0.001、層別CMH検定)。
※:非劣性の検定について、片側有意水準0.025、片側97.5%CI及び非劣性マージン10%に基づき判定した。

解析対象:無作為化解析対象集団
層別CMH検定(層別変数:地域及び過去の生物学的製剤への曝露の有無)
NRI法を用いて欠測値を補完した。
PASI100反応率[48週時:副次評価項目]
48週時のPASI100反応率はビンゼレックスQ4W/Q8W群66.0%及びビンゼレックスQ4W/Q4W群73.5%で、セクキヌマブ群48.3%に比べ有意に高いことが示された(p<0.001、層別CMH検定)。

解析対象:維持期間解析対象集団
層別CMH検定(層別変数:地域及び過去の生物学的製剤への曝露の有無)
NRI法を用いて欠測値を補完した。
PASI90反応率[その他の評価項目]
16週時のPASI90反応率はビンゼレックスQ4W/Q8W群90.2%、ビンゼレックスQ4W/Q4W群85.0%及びセクキヌマブ群77.1%であった。48週時ではビンゼレックスQ4W/Q8W群86.5%、ビンゼレックスQ4W/Q4W群85.7%で、セクキヌマブ群73.7%に比べ有意に高いことが示された(ビンゼレックスQ4W/Q8W群:p<0.001、ビンゼレックスQ4W/Q4W群:p<0.01、層別CMH検定)

解析対象:維持期間解析対象集団
層別CMH検定(層別変数:地域及び過去の生物学的製剤への曝露の有無)
NRI法を用いて欠測値を補完した。
PASI90/100反応率:PASIスコアがベースラインからそれぞれ90%以上及び100%改善した患者の割合
48週時のAbsolute PASI[その他の評価項目]
48週時のPASIスコアが1以下の患者の割合は、ビンゼレックスQ4W/Q8W群80.5%及びビンゼレックスQ4W/Q4W群83.0%で、セクキヌマブ群62.4%に比べ有意に高いことが示された(p<0.001、層別CMH検定)。2以下の患者の割合はそれぞれ86.5%及び86.4%で、セクキヌマブ群76.0%に比べ有意に高いことが示された(p<0.01、層別CMH検定)。

解析対象:維持期間解析対象集団
層別CMH検定(層別変数:地域及び過去の生物学的製剤への曝露の有無)
NRI法を用いて欠測値を補完した。
Absolute PASIは投与後の重症度判定の指標となり得るもので、Absolute PASIが2又は3以下の達成が治療成功の指標として提唱されている3)。
有害事象
導入期間+維持期間(0〜48週時)の治験薬と関連ありと判断された有害事象は、全ビンゼレックス群373例中160例(42.9%)、セクキヌマブ群370例中117例(31.6%)に認められた。治験薬と関連ありと判断された主な有害事象は全ビンゼレックス群で口腔カンジダ症60例(16.1%)、上気道感染18例(4.8%)、セクキヌマブ群で鼻咽頭炎25例(6.8%)、上気道感染17例(4.6%)であった。重篤な有害事象は全ビンゼレックス群で22例(虫垂炎、交通事故各2例等)、セクキヌマブ群で21例(心房細動2例、冠動脈疾患1例等)、投与中止に至った有害事象は全ビンゼレックス群で13例(内分泌障害、大腸ポリープ各1例等)、セクキヌマブ群で10例(霧視、潰瘍性大腸炎各1例等)であった。死亡に至った有害事象は全ビンゼレックス群で1例(交通事故)、セクキヌマブ群で1例(窒息・誤嚥)に認められた。
維持期間解析対象集団における、維持期間(16〜48週時)の治験薬と関連ありと判断された有害事象は、ビンゼレックスQ4W/Q8W群215例中72例(33.5%)、ビンゼレックスQ4W/Q4W群147例中46例(31.3%)に認められた。主な有害事象はビンゼレックスQ4W/Q8W群で口腔カンジダ症36例(16.7%)、鼻咽頭炎33例(15.3%)、ビンゼレックスQ4W/Q4W群で鼻咽頭炎20例(13.6%)、口腔カンジダ症19例(12.9%)であった。重篤な有害事象はビンゼレックスQ4W/Q8W群で9例(虫垂炎2例、心房細動1例等)、ビンゼレックスQ4W/Q4W群で4例(上室性頻脈、食道憩室各1例等)、投与中止に至った有害事象はビンゼレックスQ4W/Q8W群で1例(交通事故)、ビンゼレックスQ4W/Q4W群で3例(食道憩室、皮膚カンジダ各1例等)であった。死亡に至った有害事象はビンゼレックスQ4W/Q8W群で1例(交通事故)に認められた。
(MedDRA ver.19.0)
PASI:Psoriasis Area and Severity Index(乾癬面積・重症度指標)、PASI50は臨床的に意義のある改善、PASI75は臨床試験の一次エンドポイント、PASI90はほぼ完全な皮膚症状の消失、PASI100は完全な皮膚症状の消失を意味する。
BSA:Body Surface Area(体表面積)
病変BSA:BSAに対する乾癬の病変面積の割合
IGA:Investigator’s Global Assessment(医師による全般的評価)、0:消失、1:ほぼ消失、2:軽度、3:中等度、4:重度の5段階評価
Q4W:every 4 weeks(4週間隔)
Q8W:every 8 weeks(8週間隔)
PASI75/90/100反応率:PASIスコアがベースラインからそれぞれ75%以上、90%以上及び100%改善した患者の割合
IGA 0/1達成率:IGAスコアがベースラインから2段階以上改善し、0(消失)又は1(ほぼ消失)となった患者の割合
CMH(Cochran-Mantel Haenszel)検定:第三のカテゴリー変数により層別化された複数のクロス表を統合して解析する統計手法。年齢区分、研究の実施施設、疾患の有無等のようにクロス表解析の結果に影響を与える可能性のある因子を補正する際に用いられる。
CI:Confidence Interval (信頼区間) 無作為化解析対象集団:無作為に割り付けられた患者
NRI法:Non-Responder Imputation(非改善例データ補完法)、対象となる時点でデータが欠損している患者を非改善例として扱う補完手法
維持期間解析対象集団:二重盲検期間の維持期間(16週以降)に治験薬を1回以上投与された患者
- 6. 用法及び用量
- 通常、成人にはビメキズマブ(遺伝子組換え)として、1回320mgを初回から16週までは4週間隔で皮下注射し、以降は8週間隔で皮下注射する。なお、患者の状態に応じて16週以降も4週間隔で皮下注射できる。
- 6. 用法及び用量(抜粋)
(セクキヌマブ) - 〈尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬〉
通常、成人にはセクキヌマブ(遺伝子組換え)として、1回300mgを、初回、1週後、2週後、3週後、4週後に皮下投与し、以降、4週間の間隔で皮下投与する。また、体重により、1回150mgを投与することができる。
通常、6歳以上の小児にはセクキヌマブ(遺伝子組換え)として、体重50kg未満の患者には1回75mgを、体重50kg以上の患者には1回150mgを、初回、1週後、2週後、3週後、4週後に皮下投与し、以降、4週間の間隔で皮下投与する。なお、体重50kg以上の患者では、状態に応じて1回300mgを投与することができる。
- 1) 承認時申請資料:海外第Ⅲb相二重盲検比較試験 PS0015試験(BE RADIANT試験)
- 2) Reich K. et al.:N Engl J Med. 385:142-152, 2021
利益相反:本論文の研究資金はUCB Pharmaから提供を受けたものである。
海外第Ⅲ相二重盲検比較試験
(海外データ:尋常性乾癬患者を対象としたBE READY試験) 8,9)
試験概要
- 主要目的
- 中等度〜重度の尋常性乾癬を有する外国人患者を対象に、ビンゼレックスを16週間皮下投与した時の有効性をプラセボと比較する。
- 対象
- 既存治療で効果不十分な中等度〜重度の外国人尋常性乾癬患者 435例
- ・18歳以上の患者
- ・スクリーニング前に尋常性乾癬と診断されてから6ヵ月以上経過している患者
- ・PASIスコアが12以上、病変BSAが10%以上、IGAスコアが5段階中3以上の患者
- ・乾癬に対する全身療法及び/又は光線療法の対象となり得る患者
- デザイン
- 多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照
- 投与方法
-
導入期間(0〜16週時)
ビンゼレックスQ4W群又はプラセボ群に4:1の割合で無作為に割り付け、用法及び用量は以下のとおりとした。- ・ビンゼレックスQ4W群:ビンゼレックス320mgを4週間隔で皮下投与
- ・プラセボ群:プラセボを4週間隔で皮下投与
無作為化休薬期間(16〜56週時)
導入期間の16週時にPASI90改善を達成したビンゼレックスQ4W群の患者は、ビンゼレックスQ4W/Q4W群、ビンゼレックスQ4W/Q8W群又はビンゼレックスQ4W/プラセボ群に1:1:1の割合で無作為に再割り付けされた。用法及び用量は以下のとおりとした。- ・ビンゼレックスQ4W/Q4W群:16週以降もビンゼレックス320mgを4週間隔で皮下投与
- ・ビンゼレックスQ4W/Q8W群:16週以降はビンゼレックス320mgを8週間隔で皮下投与
- ・ビンゼレックスQ4W/Q8W群:16週以降はビンゼレックス320mgを8週間隔で皮下投与
- ・ビンゼレックスQ4W/プラセボ群:16週以降はプラセボを4週間隔で皮下投与
16週時にPASI90改善を達成したプラセボ群の患者は、16週以降もプラセボを4週間隔で投与を継続した。
16週時にPASI90改善を達成しなかった患者及び無作為化休薬期間の20週以降に再燃が認められたすべての患者は、Escape投与として非盲検下でビンゼレックス320mgを4週間隔で12週間皮下投与した。 - 有効性評価項目
-
複合主要評価項目(検証項目):16週時のPASI90反応率、16週時のIGA 0/1達成率
副次評価項目:16週時のPASI100反応率、16週時のIGA 0達成率、4週時のPASI75反応率、16週時の患者症状日誌(PSD)改善率、16週時のscalp-IGA 0/1達成率、56週時のPASI90反応率(16週時のPASI90レスポンダーのみ)
その他の評価項目: 16週時のPASI90レスポンダーにおけるPASI75、PASI90及びPASI100反応率、16週時のPASI90レスポンダーにおける再燃までの期間 等
- 安全性評価項目
- 副次評価項目:曝露期間で補正した治験薬投与後に発現した有害事象、曝露期間で補正した重篤な有害事象、曝露期間で補正した治験薬の投与中止に至った有害事象
- 免疫原性評価項目
- 抗ビメキズマブ抗体(治験薬投与前及び投与後)
- 解析計画
- 複合主要評価項目及び特定の副次評価項目の統計解析は、両側有意水準0.05で、固定順序法を用いてファミリーワイズの第1種の過誤をコントロールし、多重性を考慮した。複合主要評価項目に対応する仮説検定として、16週時のPASI90反応率及びIGA 0/1達成率に関してプラセボに対するビンゼレックスの優越性をそれぞれ検定した。両検定の結果、両側有意水準0.05で仮説が棄却された場合には検定の続行が可能となり、α値を次の順序の検定に引き続き用いた。以降の検定は副次評価項目に関する仮説検定であり、プラセボに対するビンゼレックスの優越性を検定した。
複合主要評価項目において、主要解析では地域及び過去の生物学的製剤への曝露の有無を層別変数として用いた層別CMH検定に基づき実施した。一般連関統計量に対するp値を用いたCMH検定により、投与群の対比較を実施した。
副次評価項目において、2値変数(16週時のPASI100反応率及び4週時のPASI75反応率を含む)は、主要解析と同様の層別CMH検定を用いて優越性を検定した。56週時のPASI90反応率は、16週時にPASI90改善を達成し、無作為化休薬期間に治験薬を1回以上投与された患者を対象として、地域及び過去の生物学的製剤への曝露の有無を層別変数として用いた層別CMH検定に基づき解析した。PSD改善率の解析には、主要解析と同様の層別CMH検定を用いた。掻痒、疼痛及び落屑の各項目に対して多重性を考慮した検定手順を用いて推測統計解析を実施した。
その他の評価項目において、特定の評価項目に関しては、統計学的検定を実施して推測統計量を算出した。これらの検定は、多重性を考慮した検定手順に含まれていないため、算出されたp値は名目上の値であり、多重性は考慮されなかった。
固定順序法:
以下の検定順序で、優越性が確認された場合に次の検定を実施することにより、全体としての有意水準を保った。
複合主要評価項目 | 16週時のPASI90反応率 及びIGA 0/1達成率 |
ビンゼレックスQ4W群 対 プラセボ群 | 優越性 |
---|---|---|---|
副次評価項目 | 16週時のPASI100反応率 | ビンゼレックスQ4W群 対 プラセボ群 | 優越性 |
16週時のIGA 0達成率 | ビンゼレックスQ4W群 対 プラセボ群 | 優越性 | |
4週時のPASI75反応率 | ビンゼレックスQ4W群 対 プラセボ群 | 優越性 | |
16週時の疼痛に対するPSD改善率 | ビンゼレックスQ4W群 対 プラセボ群 | 優越性 | |
16週時の掻痒に対するPSD改善率 | ビンゼレックスQ4W群 対 プラセボ群 | 優越性 | |
16週時の落屑に対するPSD改善率 | ビンゼレックスQ4W群 対 プラセボ群 | 優越性 | |
16週時のscalp-IGA 0/1達成率 | ビンゼレックスQ4W群 対 プラセボ群 | 優越性 | |
56週時のPASI90反応率 | 全ビンゼレックス群 対 ビンゼレックスQ4W/プラセボ群 | 優越性 |
- 試験デザイン
-
PASI75/90/100反応率[16週時PASI90反応率:複合主要評価項目(検証項目)、4週時
PASI75反応率、16週時PASI100反応率:副次評価項目]
IGA 0/1達成率[16週時:複合主要評価項目(検証項目)]
16週時のPASI90反応率はビンゼレックスQ4W群90.8%及びプラセボ群1.2%、IGA 0/1達成率はそれぞれ92.6%及び1.2%で、ビンゼレックスQ4W群はプラセボ群に比べ有意に高く、ビンゼレックスQ4W群のプラセボ群に対する優越性が検証された(p<0.001、層別CMH検定)。
4週時のPASI75反応率及び16週時のPASI100反応率において、ビンゼレックスQ4W群はプラセボ群に比べ有意に高いことが示された(p<0.001、層別CMH検定)。
- PASI75/90/100反応率
-
解析対象:無作為化解析対象集団
層別CMH検定(層別変数:地域及び過去の生物学的製剤への曝露の有無)
NRI法を用いて欠測値を補完した。
- IGA 0/1達成率
-
解析対象:無作為化解析対象集団
層別CMH検定(層別変数:地域及び過去の生物学的製剤への曝露の有無)
NRI法を用いて欠測値を補完した。
16週時のPASI90レスポンダーにおけるPASI90反応率[その他の評価項目]
無作為化休薬期間のPASI90反応率は、56週時でビンゼレックスQ4W/Q8W群91.0%及びビンゼレックスQ4W/Q4W群86.8%で、ビンゼレックスQ4W/プラセボ群16.2%に比べ有意に高いことが示された(p<0.0001、層別CMH検定)。ビンゼレックスQ4W/プラセボ群は24週時(投与中止後12週)では89.5%であった。

解析対象:PASI90レスポンダー解析対象集団
層別CMH検定(層別変数:地域及び過去の生物学的製剤への曝露の有無)
NRI法を用いて欠測値を補完した。
16週時のPASI90レスポンダーにおけるPASI100反応率[その他の評価項目]
無作為化休薬期間のPASI100反応率は、16週時でビンゼレックスQ4W/Q8W群82.0%及びビンゼレックスQ4W/Q4W群68.9%、56週時でそれぞれ83.0%及び70.8%であった。ビンゼレックスQ4W/プラセボ群は16週時で74.3%、24週時(投与中止後12週)で69.5%、28週時(投与中止後16週)で55.2%、56週時では10.5%であった

解析対象:PASI90レスポンダー解析対象集団
NRI法を用いて欠測値を補完した。
16週時のPASI90レスポンダーにおける再燃までの期間[その他の評価項目]
無作為化休薬期間にビンゼレックス投与からプラセボ投与に再割り付けされた患者(ビンゼレックスQ4W/プラセボ群)において、再燃が認められるまでの時間の中央値は再割り付け後28週(ビンゼレックス最終投与後32週)であった。
- PASI75反応率
-
解析対象:PASI90レスポンダー解析対象集団
Kaplan-Meier法
再燃:16週時にPASI90改善を達成した患者で、無作為化休薬期間の20週以降にPASI75を達成しなくなった場合
有害事象
導入期間(0〜16週時)の治験薬と関連ありと判断された有害事象は、プラセボ群86例中7例(8.1%)、ビンゼレックスQ4W群349例中65例(18.6%)に認められた。治験薬と関連ありと判断された主な有害事象はプラセボ群で鼻咽頭炎2例(2.3%)、注射部位内出血1例(1.2%)、ビンゼレックスQ4W群で口腔カンジダ症17例(4.9%)、注射部位反応4例(1.1%)であった。重篤な有害事象はプラセボ群で2例(僧帽弁逸脱、心筋梗塞)、ビンゼレックスQ4W群で6例(網膜剥離、憩室穿孔各1例等)、投与中止に至った有害事象はプラセボ群で1例(乾癬)、ビンゼレックスQ4W群で4例(過敏症、歯膿瘍各1例等)であった。死亡に至った有害事象は認められなかった。
PASI90レスポンダー解析対象集団における、無作為化休薬期間(16〜56週時)の治験薬と関連ありと判断された有害事象は、ビンゼレックスQ4W/プラセボ群105例中23例(21.9%)、ビンゼレックスQ4W/Q8W群100例中23例(23.0%)、ビンゼレックスQ4W/Q4W群106例中28例(26.4%)に認められた。治験薬と関連ありと判断された主な有害事象はビンゼレックスQ4W/プラセボ群で口腔カンジダ症6例(5.7%)、鼻咽頭炎5例(4.8%)、ビンゼレックスQ4W/Q8W群で口腔カンジダ症7例(7.0%)、鼻咽頭炎5例(5.0%)、ビンゼレックスQ4W/Q4W群で口腔カンジダ症8例(7.5%)、上気道感染4例(3.8%)であった。重篤な有害事象はビンゼレックスQ4W/プラセボ群で4例(網膜剥離、前立腺癌各1例等)、ビンゼレックスQ4W/Q8W群で3例(下痢2例、急性心筋梗塞1例)、ビンゼレックスQ4W/Q4W群で5例(卵巣腺腫、白内障各1例等)、投与中止に至った有害事象はビンゼレックスQ4W/プラセボ群で3例(乾癬性紅皮症、精神医学的評価異常各1例等)、ビンゼレックスQ4W/Q8W群で2例(ウイルス性上気道感染、下痢)であった。死亡に至った有害事象は認められなかった。
(MedDRA ver.19.0)
再燃:16週時にPASI90改善を達成した患者で、無作為化休薬期間の20週以降にPASI75を達成しなくなった場合
全ビンゼレックス群:ビンゼレックスQ4W/Q4W群+ビンゼレックスQ4W/Q8W群
PASI90レスポンダー:16週時のPASIスコアがベースラインと比較して90%以上改善した患者
PASI75/90/100反応率:PASIスコアがベースラインからそれぞれ75%以上、90%以上及び100%改善した患者の割合IGA 0/1達成率:IGAスコアがベースラインから2段階以上改善し、0(消失)又は1(ほぼ消失)となった患者の割合
PASI90レスポンダー解析対象集団:16週時にPASI90改善を達成し、無作為化休薬期間(16週以降)に治験薬を1回以上投与された患者
Kaplan-Meier法:「イベント」発現/非発現状況を経時的に検討し、生存関数を推定する方法
- 6. 用法及び用量
- 通常、成人にはビメキズマブ(遺伝子組換え)として、1回320mgを初回から16週までは4週間隔で皮下注射し、以降は8週間隔で皮下注射する。なお、患者の状態に応じて16週以降も4週間隔で皮下注射できる。
- 8)承認時評価資料:海外第Ⅲ相二重盲検比較試験 PS0013試験(BE READY試験)
- 9)Gordon KB. et al.:Lancet. 397:475-486, 2021
利益相反:本論文の研究資金はUCB Pharmaから提供を受けたものである。
国際共同第Ⅲ相長期継続投与試験
[国内及び海外データ:尋常性乾癬患者(コホートA)、及び日本人の
尋常性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症患者(コホートB)を対象とした
BE BRIGHT試験]10)
- 本試験は継続中であり、コホートBの最後に組み入れられた患者が48週を完了した時点まで(コホートA及びコホートBを含む)の解析結果を示す。
試験概要
- 主要目的
- 中等度〜重度の尋常性乾癬を有する患者を対象に、ビンゼレックスを長期間にわたり皮下投与した時の安全性及び忍容性を評価する。
- 対象
-
コホートA
3つの第Ⅲ相先行試験(BE SURE試験、BE VIVID試験及びBE READY試験)のうち、
いずれか1試験を完了した既存治療で効果不十分な中等度〜重度の尋常性乾癬患者 1,286例(日本人88例を含む)- ・いずれの中止基準にも該当することなく、先行試験を完了した患者
コホートB
新規に登録された日本人の既存治療で効果不十分な中等度〜重度の尋常性乾癬患者45例、膿疱性乾癬患者10例、乾癬性紅皮症患者11例- ・18歳以上の患者
尋常性乾癬患者
- ・スクリーニング前に尋常性乾癬と診断されてから6ヵ月以上経過している患者
- ・PASIスコアが12以上、病変BSAが10%以上、IGAスコアが5段階中3以上の患者
- ・乾癬に対する全身療法及び/又は光線療法の対象となり得る患者
膿疱性乾癬患者
- ・スクリーニング時点で膿疱性乾癬と診断されている患者
- ・膿疱性乾癬の診断がJDAの診断基準を満たし、JDA重症度分類スコアの合計スコアが14未満の患者
乾癬性紅皮症患者
- ・スクリーニング時点で乾癬性紅皮症と診断されている患者
- ・尋常性乾癬の既往歴を有し、ベースラインの病変BSAが80%以上の患者
- デザイン
- 多施設共同、非盲検
- 投与方法
-
コホートA
先行試験の治療内容及びPASI反応率に基づき、ビンゼレックス320mgを4週間隔又は8週間隔で皮下投与コホートB
全患者が16週時までビンゼレックス320mgを4週間隔で皮下投与し、16週以降は、尋常性乾癬患者はビンゼレックス320mgを8週間隔で皮下投与、膿疱性乾癬患者及び乾癬性紅皮症患者は16週時のIGA 0/1改善に基づき、ビンゼレックス320mgを4週間隔又は8週間隔で皮下投与 - 安全性評価項目
-
コホートA
主要評価項目: 曝露期間で補正した治験薬投与後に発現した有害事象
副次評価項目: 曝露期間で補正した重篤な有害事象、曝露期間で補正した治験薬の投与中止に至った有害事象コホートB
主要評価項目: 曝露期間で補正した治験薬投与後に発現した有害事象
副次評価項目: 曝露期間で補正した重篤な有害事象、曝露期間で補正した治験薬の投与中止に至った有害事象 - 有効性評価項目
-
コホートA
副次評価項目: 144週時のPASI90反応率、144週時のIGA 0/1達成率
その他の評価項目: PASI90反応率、IGA 0/1達成率 等コホートB
その他の評価項目: PASI90反応率、IGA 0/1達成率、CGI-(I 膿疱性乾癬患者及び乾癬性紅皮症患者のみ)、膿疱性乾癬
のJDA重症度分類スコアを用いた全般改善度(膿疱性乾癬患者のみ) 等 - 免疫原性評価項目
- 抗ビメキズマブ抗体及び中和抗体(治験薬投与前及び投与後)
- 試験デザイン
-
※1: ビンゼレックスQ4W群で24週時にPASI90改善を達成した場合は、治験責任医師の判断により任意でビンゼレックスQ8W群に切替え可とし、48週時にPASI90改善を達成した場合は、治験責任医師が判断した場合を除き、ビンゼレックスQ8W群に切り替えることとした。
※2: すべての患者が16週時までビンゼレックス320mgを4週間隔で皮下投与した。16週以降は、尋常性乾癬患者はビンゼレックス320mgを8週間隔で皮下投与、膿疱性乾癬患者及び乾癬性紅皮症患者は16週時のIGA 0/1改善に基づき、ビンゼレックス320mgを4週間隔又は8週間隔で皮下投与した。
- 1)コホートA※
- ※: 本資材に掲載しているデータは2020年6月1日までの解析に基づき、コホートBの最後に組み入れられた患者が48週を完了した時点までの結果を含む。
48週時の治験薬投与以降に発現した有害事象は、本解析から除外した。
有効性評価項目に関して、欠測データが多いため、24週時までのデータのみを示した。
曝露期間で補正した有害事象
[治験薬投与後に発現した有害事象:主要評価項目、重篤な有害事象、
治験薬の投与中止に至った有害事象:副次評価項目]
治験薬曝露期間の中央値はビンゼレックスQ8W群※253.0日、ビンゼレックスQ4W群281.0日、コホートA全患者282.0日であった。曝露期間で補正した100人年あたりの治験薬投与後に発現した有害事象発現率は、ビンゼレックスQ8W群※167.72/100人年、ビンゼレックスQ4W群196.35/100人年、コホートA全患者184.35/100人年であった。
曝露期間で補正した100人年あたりの重篤な有害事象発現率は、ビンゼレックスQ8W群※5.87/100人年、ビンゼレックスQ4W群7.24/100人年、コホートA全患者6.78/100人年、治験薬の投与中止に至った有害事象発現率は、ビンゼレックスQ8W群※3.05/100人年、ビンゼレックスQ4W群2.25/100人年、コホートA全患者2.52/100人年であった。
有害事象
治験薬と関連ありと判断された有害事象は、ビンゼレックスQ8W群※514例中100例(19.5%)、ビンゼレックスQ4W群903例中251例(27.8%)、コホートA全患者1,286例中336例(26.1%)に認められた。治験薬と関連ありと判断された主な有害事象はビンゼレックスQ8W群※で口腔カンジダ症36例(7.0%)、鼻咽頭炎12例(2.3%)、ビンゼレックスQ4W群で口腔カンジダ症106例(11.7%)、鼻咽頭炎37例(4.1%)、コホートA全患者で口腔カンジダ症136例(10.6%)、鼻咽頭炎49例(3.8%)であった。重篤な有害事象はビンゼレックスQ8W群※で19例(心房細動、心筋梗塞各1例等)、ビンゼレックスQ4W群で47例(四肢膿瘍、肺塞栓症各2例等)、コホートA全患者で66例(四肢膿瘍、心房細動各2例等)、投与中止に至った有害事象はビンゼレックスQ8W群※で10例(心筋梗塞、上腹部痛各1例等)、ビンゼレックスQ4W群で15例(精神医学的評価異常2例、心肺不全1例等)、コホートA全患者で25例(精神医学的評価異常、結腸癌各2例等)、死亡に至った有害事象はビンゼレックスQ8W群※で2例(心筋梗塞、循環虚脱)、ビンゼレックスQ4W群で1例(心肺不全)に認められた。
(MedDRA ver.19.0)
※:ビンゼレックスQ4W群で24週時にPASI90改善を達成した場合は、治験責任医師の判断により任意でビンゼレックスQ8W群に切替え可とした。24週時にビンゼレックスQ4W群からビンゼレックスQ8W群に切り替えた患者が含まれる。
PASI90反応率[その他の評価項目]
本試験のベースライン時にPASI90改善を達成していた患者の割合は、ビンゼレックスQ8W群99.2%及びビンゼレックスQ4W群86.0%であった。12週時ではそれぞれ91.4%及び91.2%、24週時では90.1%及び89.2%であった。

解析対象:コホートA最大の解析対象集団
NRI法を用いて欠測値を補完した。
IGA 0/1達成率[その他の評価項目]
本試験のベースライン時にIGA 0/1改善を達成していた患者の割合は、ビンゼレックスQ8W群96.9%及びビンゼレックスQ4W群87.5%であった。12週時ではそれぞれ90.6%及び89.1%、24週時では88.3%及び87.5%であった。

解析対象:コホートA最大の解析対象集団
NRI法を用いて欠測値を補完した。
- 2)コホートB※
- ※: 本資材に掲載しているデータは2020年6月1日までの解析に基づき、コホートBの最後に組み入れられた患者が48週を完了した時点までの結果を含む。
48週時の治験薬投与以降に発現した有害事象は、本解析から除外した。
有効性評価項目に関して、48週時までの結果を要約した。
曝露期間で補正した有害事象
[治験薬投与後に発現した有害事象:主要評価項目、重篤な有害事象、
治験薬の投与中止に至った有害事象:副次評価項目]
尋常性乾癬患者における48週時までの治験薬曝露期間の中央値は335.0日であった。曝露期間で補正した100人年あたりの治験薬投与後に発現した有害事象発現率は307.18/100人年、曝露期間で補正した100人年あたりの重篤な有害事象発現率は2.47/100人年、治験薬の投与中止に至った有害事象発現率は4.99/100人年であった。
膿疱性乾癬患者における48週時までの治験薬曝露期間の中央値は336.0日であった。曝露期間で補正した100人年あたりの治験薬投与後に発現した有害事象発現率は、329.38/100人年、曝露期間で補正した100人年あたりの重篤な有害事象発現率は、11.46/100人年、治験薬の投与中止に至った有害事象発現率は11.46/100人年であった。
乾癬性紅皮症患者における48週時までの治験薬曝露期間の中央値は336.0日であった。曝露期間で補正した100人年あたりの治験薬投与後に発現した有害事象発現率は、372.70/100人年、曝露期間で補正した100人年あたりの重篤な有害事象発現率は、35.18/100人年、治験薬の投与中止に至った有害事象発現率は、10.69/100人年であった。
有害事象
尋常性乾癬患者における48週時までの治験薬と関連ありと判断された有害事象は、45例中25例(55.6%)に認められた。治験薬と関連ありと判断された主な有害事象は口腔カンジダ症8例(17.8%)、湿疹5例(11.1%)であった。重篤な有害事象は1例(薬物性肝障害)、投与中止に至った有害事象は2例(下痢、薬物性肝障害)にみられた。死亡に至った有害事象は認められなかった。
膿疱性乾癬患者における48週時までの治験薬と関連ありと判断された有害事象は、ビンゼレックスQ8W群6例中1例(16.7%)、ビンゼレックスQ4W群10例中3例(30.0%)、全ビンゼレックス群10例中3例(30.0%)に認められた。治験薬と関連ありと判断された主な有害事象はビンゼレックスQ8W群で自己免疫性肝炎、薬物性肝障害各1例(16.7%)、ビンゼレックスQ4W群で悪心、口腔カンジダ症各1例(10.0%)、全ビンゼレックス群で悪心、自己免疫性肝炎各1例(10.0%)であった。重篤な有害事象はビンゼレックスQ8W群で1例(薬物性肝障害・自己免疫性肝炎)、全ビンゼレックス群で1例(薬物性肝障害・自己免疫性肝炎)、投与中止に至った有害事象はビンゼレックスQ8W群で1例(薬物性肝障害)、全ビンゼレックス群で1例(薬物性肝障害)にみられた。死亡に至った有害事象は認められなかった。
乾癬性紅皮症患者における48週時までの治験薬と関連ありと判断された有害事象は、ビンゼレックスQ4W群11例中6例(54.5%)、全ビンゼレックス群11例中6例(54.5%)に認められた。治験薬と関連ありと判断された主な有害事象はビンゼレックスQ4W群で口腔カンジダ症3例(27.3%)、上腹部痛1例(9.1%)、全ビンゼレックス群で口腔カンジダ症3例(27.3%)、上腹部痛1例(9.1%)であった。重篤な有害事象はビンゼレックスQ4W群で3例(細菌性肺炎・胸膜炎、心室性頻脈、筋力低下・末梢性浮腫)、全ビンゼレックス群で3例(細菌性肺炎・胸膜炎、心室性頻脈、筋力低下・末梢性浮腫)、投与中止に至った有害事象はビンゼレックスQ4W群で1例(筋力低下)、全ビンゼレックス群で1例(筋力低下)にみられた。死亡に至った有害事象は認められなかった。
(MedDRA ver.19.0)
PASI90反応率[その他の評価項目]
16週時のPASI90反応率は尋常性乾癬患者93.2%、膿疱性乾癬患者7/9例及び乾癬性紅皮症患者72.7%、48週時ではそれぞれ82.9%、6/9例及び100%であった。
投与期間 | 4週 | 8週 | 12週 | 16週 | 24週 | 32週 | 40週 | 48週 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
尋常性乾癬患者(n=45) | 例数 | n=45 | n=45 | n=44 | n=44 | n=43 | n=42 | n=42 | n=41 |
反応率 | 51.1% | 80.0% | 90.9% | 93.2% | 90.7% | 92.9% | 92.9% | 82.9% | |
膿疱性乾癬患者(n=10) | 例数 | n=9 | n=9 | n=9 | n=9 | n=9 | n=9 | n=9 | n=9 |
反応率※ | 4/9 | 6/9 | 5/9 | 7/9 | 7/9 | 8/9 | 8/9 | 6/9 | |
膿疱性乾癬患者(n=10) | 例数 | n=11 | n=11 | n=11 | n=11 | n=10 | n=10 | n=10 | n=10 |
反応率※ | 27.3% | 45.5% | 63.6% | 72.7% | 90.0% | 90.0% | 100% | 100% |
※:PASI90改善を達成した患者数/測定が欠落していない患者数
解析対象:コホートB最大の解析対象集団
欠測値の補完を行わないデータに基づく要約を用いた。
IGA 0/1達成率[その他の評価項目]
16週時のIGA 0/1達成率は尋常性乾癬患者84.1%、膿疱性乾癬患者60.0%及び乾癬性紅皮症患者9.1%、48週時ではそれぞれ78.0%、4/9例及び70.0%であった。
投与期間 | 4週 | 8週 | 12週 | 16週 | 24週 | 32週 | 40週 | 48週 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
尋常性乾癬患者(n=45) | 例数 | n=45 | n=45 | n=44 | n=44 | n=43 | n=42 | n=42 | n=41 |
反応率 | 37.8% | 66.7% | 77.3% | 84.1% | 81.4% | 81.0% | 81.0% | 78.0% | |
膿疱性乾癬患者(n=10) | 例数 | n=10 | n=10 | n=10 | n=10 | n=9 | n=9 | n=9 | n=9 |
反応率※ | 60.0% | 60.0% | 60.0% | 60.0% | 7/9 | 7/9 | 7/9 | 7/9 | |
乾癬性紅皮症患者(n=11) | 例数 | n=11 | n=11 | n=11 | n=11 | n=10 | n=10 | n=10 | n=10 |
反応率※ | 9.1% | 27.3% | 36.4% | 9.1% | 40.0% | 60.0% | 80.0% | 70.0% |
膿疱性乾癬患者の24、32、40、48週:IGA0/1改善を達成した患者数/測定が欠落していない患者数
解析対象:コホートB最大の解析対象集団
欠測値の補完を行わないデータに基づく要約を用いた。
CGI-(I 膿疱性乾癬患者及び乾癬性紅皮症患者のみ)[その他の評価項目]
膿疱性乾癬患者及び乾癬性紅皮症患者のCGI-Iにおいて、すべての患者が48週時までに寛解又は改善を示した。

解析対象:コホートB膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症最大の解析対象集団
欠測値の補完を行わないデータに基づく要約を用いた。
膿疱性乾癬のJDA重症度分類スコアを用いた全般改善度
(膿疱性乾癬患者のみ)[その他の評価項目]
膿疱性乾癬患者における全般改善度は、すべての患者が48週時までに著明改善又は中等度改善を示した。
投与期間 | 4週 | 8週 | 16週 | 24週 | 48週 |
---|---|---|---|---|---|
例数 | n=10 | n=10 | n=10 | n=10 | n=9 |
著明改善 | 10.0% | 30.0% | 30.0% | 40.0% | 6/9 |
中等度改善 | 50.0% | 40.0% | 50.0% | 40.0% | 3/9 |
軽度改善 | 10.0% | 10.0% | 0% | 0% | 0/9 |
不変 | 30.0% | 20.0% | 20.0% | 20.0% | 0/9 |
悪化 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0/9 |
(n=10)
48週:各改善度の患者数/測定が欠落していない患者数
解析対象:コホートB最大の解析対象集団
欠測値の補完を行わないデータに基づく要約を用いた。
JDA:Japanese Dermatological Association(日本皮膚科学会)
JDA重症度分類スコア:皮膚症状(総紅斑面積、膿疱を伴う紅斑面積、浮腫面積)、全身症状及び臨床検査所見(発熱、白血球数、C反応性蛋白、血清ア
ルブミン)の評価をスコア化し、合計スコアにより軽症(0〜6)、中等症(7〜10)、重症(11〜17)に分類する。
CGI-I:Clinical Global Impressions Improvement(臨床全般印象改善度)
ビンゼレックスQ8W/Q8W群:先行試験から本試験の24週時まで8週間隔で皮下投与、24週以降も8週間隔で皮下投与
ビンゼレックスQ4W/Q8W群:先行試験から本試験の24週時まで4週間隔で皮下投与、24週以降は8週間隔で皮下投与
ビンゼレックスQ4W/Q4W群:先行試験から本試験の24週時まで4週間隔で皮下投与、24週以降も4週間隔で皮下投与
PASI90反応率:PASIスコアがベースラインから90%以上改善した患者の割合
IGA 0/1達成率:IGAスコアがベースラインから2段階以上改善し、0(消失)又は1(ほぼ消失)となった患者の割合
コホートA最大の解析対象集団:コホートA参加の同意を取得した患者のうち、治験薬を1回以上投与され、先行試験及び本試験のベースラインのPASIデータを有する患者
PASI90反応率:PASIスコアがベースラインから90%以上改善した患者の割合
IGA 0/1達成率:IGAスコアがベースラインから2段階以上改善し、0(消失)又は1(ほぼ消失)となった患者の割合
コホートB最大の解析対象集団:コホートB参加の同意を取得した患者のうち、治験薬を1回以上投与され、本試験のベースラインのPASIデータを有する患者
コホートB膿疱性乾癬最大の解析対象集団:コホートB最大の解析対象集団のうち、膿疱性乾癬を有する患者
コホートB乾癬性紅皮症最大の解析対象集団:コホートB最大の解析対象集団のうち、乾癬性紅皮症を有する患者
- 6. 用法及び用量
- 通常、成人にはビメキズマブ(遺伝子組換え)として、1回320mgを初回から16週までは4週間隔で皮下注射し、以降は8週間隔で皮下注射する。なお、患者の状態に応じて16週以降も4週間隔で皮下注射できる。
- 10)承認時評価資料:国際共同第Ⅲ相長期継続投与試験 PS0014試験(BE BRIGHT試験)