作用機序
乾癬の病態においてIL-17A、IL-17F、IL-23等のサイトカインは重要な役割を果たしている。
乾癬病変部では、活性化した樹状細胞から産生されるIL-23がTh17細胞の分化を促進しIL-17A及びIL-17Fの産生を誘導するが、自然免疫細胞からのIL-17A及びIL-17Fの産生は、IL-23シグナル非依存的であることが示唆されている1)。
IL-17サイトカインファミリーの中で最も類似しているIL-17AとIL-17Fは、乾癬患者で発現が上昇しており2)、IL-17AはIL-17Fよりも高い活性を示すが、IL-17FはIL-17Aよりも高い発現が認められている3)。
IL-17A及びIL-17Fはホモ二量体及びヘテロ二量体を形成し、この二量体がTNFαと相乗的に作用してケラチノサイトの増殖を促し、表皮肥厚を誘導するだけでなく、同時にケラチノサイトからケモカインやサイトカイン等の産生を促進する4)。
ビメキズマブはヒト化抗ヒトIL-17A/IL-17Fモノクローナル抗体で、IL-17A、IL-17F及びIL-17A/Fに対して選択的に結合してその作用を阻害することで、乾癬における炎症反応を抑制する。
- 1) Cole S. et al.:Front Immunol. 11:585134, 2020
利益相反:本論文の研究資金はUCB Pharmaから提供を受けたものである。 - 2) Brembilla NC. et al.:Front Immunol. 9:1682, 2018
- 3) Kolbinger F. et al.:J Allergy Clin Immunol. 139:923-932, 2017
- 4) Nestle FO. et al.:Nat Rev Immunol. 9:679-691, 2009