FAQ9 RA患者さんの不妊治療をどのようにサポートするか?
Answer
- 妊活後、年齢に応じて半年~1年経過して妊娠が得られない場合は、リウマチ治療医から産婦人科医への受診を促すことを推奨する。
RA患者さんの不妊治療のサポート
疾患活動性がコントロールされた状態で妊活を継続しているRA患者さんが、半年~1年経過しても妊娠が得られない場合は、不妊治療を検討する。
RA患者さんは、リウマチ治療医には定期的に受診するが、産婦人科医への受診は不定期になるため、1年を経過した時点で、リウマチ治療医から産婦人科医への受診を促すことも考慮する。RA患者さんへの調査では、生殖関連の話は患者さんからは切り出しにくいため、医師から何度でも持ち出してほしいとのニーズがある1)。
RA患者さんの妊孕性のアセスメント
産婦人科医は、妊孕性のアセスメントを行う。WoCBA-RA患者さんの抗ミュラー管ホルモン(AMH)値を検討した複数の研究では、WoCBA-RA患者さんのAMH値は健康対照と同程度であり、RA患者さんにおける妊孕性低下は卵巣予備能の低下が原因ではないことが示唆されている2,3)。なお、AMHは卵巣予備能を表すバイオマーカーであるが4)、卵子の質を示すものではない5)。
また、2回以上の流産・死産の既往として定義される不育症の頻度は、欧米では1~4%と報告されている6)。日本の一般人口における不育症の頻度は4.2%と報告されており、欧米の頻度に比べてやや高い7)。また、そのうち、抗リン脂質抗体(aPL)陽性は8.7%であった7)。そのため、RA患者さんにおいても、不育症が疑われる場合は抗リン脂質抗体症候群(APS)などのスクリーニングを行う。
aPL陽性の妊婦は、専門医による抗体プロファイルや力価などの評価が必要であることから、専門医への紹介が望ましい。
生殖補助医療(ART)の適応
妊娠に適合した薬剤を投与され、疾患活動性が安定しており、妊娠合併症のないWoCBA-RA患者さんで、かつ不妊症の場合に生殖補助医療(assisted reproductive technology : ART)の適応となる8,9)。
また、RAの疾患活動性が高い場合や、妊娠中使用禁忌の薬剤を使用しているWoCBA-RA患者さんでは、卵子を凍結保存しておくことも選択肢となる。卵巣刺激を行い、凍結保存に向けて卵子を採取する場合も、免疫抑制剤(シクロホスファミドを除く)および生物学的製剤の継続は問題ないとされている10)。なお、日本においては、ARTについて2022年から保険診療となった。
reference
- 1
- Wolgemuth T et al: Arthritis Care Res 2021; 73: 1194-1200
- 2
- Brouwer J et al.: Arthritis Care Res (Hoboken) 2013; 65: 1534-1538
- 3
- Lopez-Corbeto M et al: Clin Exp Rheumatol 2021; 39: 337-343
- 4
- Dai X et al: Sci Rep 2020; 10: 19750
- 5
- Broer SL et al: Hum Reprod Update 2014; 20: 688-701
- 6
- Dimitriadis E et al: Nat Rev Dis Primers 2020; 6: 98
- 7
- Morita K et al: J Obstet Gynaecol Res 2019; 45: 1997-2006
- 8
- Nørgård BM et al: Fertil Steril 2021; 116: 1492-1500
- 9
- Lockshin MD: Best Pract Res Clin Obstet Gynaecol 2020; 64: 85-96
- 10
- Sammaritano LR et al: Arthritis Rheumatol 2020; 72: 529-556