治療サポート情報

将来を見据えた小児てんかん治療

小児てんかんにおいて考慮すべきポイント

⼩児てんかんの治療を始めるにあたっては、まずはその症状や臨床所⾒から適切な発作型とてんかん症候群を⾒極めることが重要です。小児てんかん患者さんに対しては、今起こっているてんかん発作を止めることに加え、成人期以降の将来の生活を見据えた治療計画、薬剤選択を考えます。進学、就職、結婚、出産など、小児てんかん患者さんの日常生活や起こりうるさまざまなライフイベントを見据えた治療計画を立てることが重要です。

小児てんかんにおいて考慮すべきポイント

小児てんかん治療で求められる抗てんかん薬の条件

薬物治療を開始する場合には、薬物相互作⽤、神経発達症などの併存症、患者さんの性別や年齢におけるライフステージ、そして副作⽤や患者さんに合った飲みやすい剤形が選択できることなどを考慮します。小児てんかん患者さんではうつ、不安、注意欠如・多動症といった精神疾患や、行動及び神経発達症(発達障害)の併存率が高いことも報告されています 1)。⼩児の患者さんでは長期にわたって抗てんかん薬を服用する可能性もふまえ、日常生活への影響の少ない治療薬が望ましいと考えられます。

小児てんかん治療で求められる抗てんかん薬の条件
奥村彰久, 浜野晋一郎 編:子どものけいれん・てんかん―見つけ方・見分け方から治療戦略へ
P219-229, 中山書店, 2013より作成

小児てんかん治療におけるビムパット

⼩児てんかん治療におけるビムパットの有⽤性は、4歳以上の⼩児の部分発作を有するてんかん患者を対象に実施した海外第Ⅲ相試験で示されました 2)。さらに、ビムパットは錠剤だけでなく、ドライシロップや点滴静注製剤のラインアップが揃っています。さまざまな病態に応じた剤形選択により継続した小児てんかん治療が期待できます。

小児てんかん治療におけるビムパット
1)
Russ SA. et al: Pediatrics. 129(2), 256-264, 2012
2)
承認時評価資料(小児患者を対象とした部分発作併用療法のプラセボ対照比較試験)

JP-N-DA-EPI-2200148

高齢者てんかんの薬剤選択

高齢者てんかんの疫学

てんかんの発症は100人に1人といわれ、あらゆる年齢で発症することが知られています。高齢者人口の増加に伴い、高齢者のてんかんは増加しており、65歳以上のてんかん有病率は1000人あたり10.3人ともいわれています 1)。⾼齢者は一般的にてんかん以外の疾患を抱えていることも多く、生活習慣病や認知症などのさまざまな併存疾患を有していることもあるため、治療においては注意が必要です。

高齢者てんかんの疫学
Haut SR. et al: Lancet Neurol. 5(2), 148-157, 2006

高齢者の薬剤服用状況

厚生労働省が公表した社会医療診療行為別統計によると、75歳以上の高齢者において、全体の4分の1の患者さんが1回の院外処方で7種類以上の薬剤を処方されています 2)。すなわち、高齢者はさまざまな併存疾患の治療として、より複数の薬剤を服用している現状が想定されます。
てんかんの診断後、抗てんかん薬による治療を開始する際には、その患者さんがすでに服用している薬剤を把握し、それらの薬剤との相互作用にも目を向けることが重要です。

75歳以上の高齢者における服用薬剤数(院外処方1件あたりの薬剤種類数)
75歳以上の高齢者における服用薬剤数(院外処方1件あたりの薬剤種類数)
厚生労働省:令和2年社会医療診療行為別統計の概況より作図

高齢者てんかんの薬剤選択において考慮すべきポイント

高齢者は、加齢に伴う生理的な変化により、薬物動態や薬物反応性が一般成人と異なります。高齢者てんかんの薬剤選択においては、生理的な変化(血漿中アルブミン濃度の低下、肝機能低下、腎機能低下など)や併存疾患の治療を含めた個々の患者さんを取り巻く環境などに考慮する必要があります。さらに、継続した抗てんかん薬治療においては、脳卒中後や周術期など、経口での投与が困難な時期などを考慮すると、投与経路を選択できる抗てんかん薬を使用することも大切です。

高齢者てんかんの薬剤選択において考慮すべきポイント
厚生労働省:「高齢者の医薬品適正使用の指針 総論編」P35-38, 2018年5月

高齢者てんかん治療におけるビムパット

ビムパットは、国際共同第Ⅲ相試験をはじめ、焦点発作(部分発作)に対する有用性が報告されています 3)。また、薬物代謝酵素に影響する主要薬物との臨床薬物相互作用試験の結果 4-9)や、錠剤、ドライシロップ、点滴静注製剤のラインアップが揃っていることなどから、高齢者のてんかん薬物治療の選択肢として期待されます。

ビムパットのご使用にあたっては、 電子添文「9.8 高齢者」の項をご参照ください。

高齢者てんかん治療におけるビムパット
1)
Tanaka A. et al: Epilepsia Open. 4(1), 182-186, 2019
2)
厚生労働省:令和2年社会医療診療行為別統計の概況
3)
承認時評価資料(部分発作単剤療法の国際共同実薬対照試験)
4)
Cawello W. et al: J Clin Pharmacol. 50(4), 459-471, 2010
5)
Cawello W. et al: J Clin Pharmacol. 52(11), 1739-1748, 2012
6)
Cawello W. et al: Clin Drug Investig. 34(5), 317-325, 2014
7)
社内資料 : ミダゾラムとの薬物相互作用
8)
Stockis A. et al: Epilepsia. 54(7), 1161-1166, 2013
9)
Cawello W. et al: Clin Drug Investig. 34(5), 327-334, 2014

JP-P-DA-EPI-2300016