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高齢者てんかんの薬剤選択

高齢者てんかんの疫学

てんかんの発症は100人に1人といわれ、あらゆる年齢で発症することが知られています。高齢者人口の増加に伴い、高齢者のてんかんは増加しており、65歳以上のてんかん有病率は1000人あたり10.3人ともいわれています1)。⾼齢者は一般的にてんかん以外の疾患を抱えていることも多く、生活習慣病や認知症などのさまざまな併存疾患を有していることもあるため、治療においては注意が必要です。

高齢者てんかんの疫学
Haut SR. et al: Lancet Neurol. 5(2), 148-157, 2006

高齢者の薬剤服用状況

厚生労働省が公表した社会医療診療行為別統計によると、75歳以上の高齢者において、全体の4分の1の患者さんが1回の院外処方で7種類以上の薬剤を処方されています2)。すなわち、高齢者はさまざまな併存疾患の治療として、より複数の薬剤を服用している現状が想定されます。
てんかんの診断後、抗てんかん薬による治療を開始する際には、その患者さんがすでに服用している薬剤を把握し、それらの薬剤との相互作用にも目を向けることが重要です。

75歳以上の高齢者における服用薬剤数(院外処方1件あたりの薬剤種類数)
75歳以上の高齢者における服用薬剤数(院外処方1件あたりの薬剤種類数)
厚生労働省:令和2年社会医療診療行為別統計の概況より作図

高齢者てんかんの薬剤選択において考慮すべきポイント

高齢者は、加齢に伴う生理的な変化により、薬物動態や薬物反応性が一般成人と異なります。高齢者てんかんの薬剤選択においては、生理的な変化(血漿中アルブミン濃度の低下、肝機能低下、腎機能低下など)や併存疾患の治療を含めた個々の患者さんを取り巻く環境などに考慮する必要があります。さらに、継続した抗てんかん薬治療においては、脳卒中後や周術期など、経口での投与が困難な時期などを考慮すると、投与経路を選択できる抗てんかん薬を使用することも大切です。

高齢者てんかんの薬剤選択において考慮すべきポイント
厚生労働省:「高齢者の医薬品適正使用の指針 総論編」P35-38, 2018年5月

高齢者てんかん治療におけるビムパット

ビムパットは、国際共同第Ⅲ相試験をはじめ、焦点発作(部分発作)に対する有用性が報告されています3)。また、薬物代謝酵素に影響する主要薬物との臨床薬物相互作用試験の結果4-9)や、錠剤、ドライシロップ、点滴静注製剤のラインアップが揃っていることなどから、高齢者のてんかん薬物治療の選択肢として期待されます。

ビムパットのご使用にあたっては、電子添文「9.8 高齢者」の項をご参照ください。

高齢者てんかん治療におけるビムパット
1)
Tanaka A. et al: Epilepsia Open. 4(1), 182-186, 2019
2)
厚生労働省:令和2年社会医療診療行為別統計の概況
3)
承認時評価資料(部分発作単剤療法の国際共同実薬対照試験)
4)
Cawello W. et al: J Clin Pharmacol. 50(4), 459-471, 2010
5)
Cawello W. et al: J Clin Pharmacol. 52(11), 1739-1748, 2012
6)
Cawello W. et al: Clin Drug Investig. 34(5), 317-325, 2014
7)
社内資料 : ミダゾラムとの薬物相互作用
8)
Stockis A. et al: Epilepsia. 54(7), 1161-1166, 2013
9)
Cawello W. et al: Clin Drug Investig. 34(5), 327-334, 2014

JP-P-DA-EPI-2300016