MG0003試験:有効性

本剤は、一部承認外の用法及び用量による臨床成績で評価され、承認されました。

そのため、承認されている「用法及び用量」と異なるデータが含まれます。

国際共同第Ⅲ相二重盲検比較試験(MG0003試験[検証的試験])

社内資料
国際共同第Ⅲ相二重盲検比較試験 MG0003試験(承認時評価資料)

Bril V et al.: Lancet Neurol. 2023; 22(5): 383–394.
(本試験はUCB Pharmaの資金提供を受けており著者に同社より研究資金や謝礼等を受領している者が含まれる)

主要評価項目:43日目におけるMG-ADL総スコアのベースラインからの変化量

主要評価項目である43日目におけるMG-ADL総スコアのベースラインからの変化量[最小二乗平均値(SE)]は、プラセボ群では-0.784(0.488)、リスティーゴ7mg/kg群では-3.370(0.486)、リスティーゴ10mg/kg群では-3.403(0.494)でした。

プラセボ群との間の差は、リスティーゴ7mg/kg群では-2.586[95%CI:-4.091-1.249](p<0.001)、リスティーゴ10mg/kg群では-2.619-3.994-1.163](p<0.001)であり、リスティーゴ投与群のプラセボ群に対する優越性が検証されました(MMRMを用いた共分散分析)。リスティーゴ7mg/kg群及びリスティーゴ10mg/kg群において、43日目のMG-ADL総スコアにプラセボ群と比べて統計学的に有意かつ臨床的に意味のあるベースラインからの減少がみられました。

43日目におけるMG-ADL総スコアのベースラインからの変化量(RS)
43日目におけるMG-ADL総スコアのベースラインからの変化量(RS)

投与群、ベースラインのMG-ADL総スコア、地域、層別因子[抗AChR(+/-)又は抗MuSK(+/-)]、評価時期と投与群との交互作用を固定効果、患者を変量効果とし、ステージごとのMMRMを用いた共分散分析

副次評価項目:43日目におけるMGC総スコアのベースラインからの変化量

副次評価項目である43日目におけるMGC総スコアのベースラインからの変化量[最小二乗平均値(SE)]は、プラセボ群では-2.029(0.917)、リスティーゴ7mg/kg群では-5.930(0.916)、リスティーゴ10mg/kg群では-7.554(0.934)でした。

プラセボ群との間の差は、リスティーゴ7mg/kg群では-3.901[95%CI:-6.634-1.245](p<0.001)、リスティーゴ10mg/kg群では-5.525-8.303-2.968](p<0.001)であり、リスティーゴ7mg/kg群及びリスティーゴ10mg/kg群において、43日目のMGC総スコアに、プラセボ群と比べて統計学的に有意かつ臨床的に意味のあるベースラインからの減少がみられました(MMRMを用いた共分散分析)。

43日目におけるMGC総スコアのベースラインからの変化量(RS)
43日目におけるMGC総スコアのベースラインからの変化量(RS)

投与群、ベースラインのMGC総スコア、地域、層別因子[抗AChR(+/-)又は抗MuSK(+/-)]、評価時期と投与群との交互作用を固定効果、患者を変量効果とし、ステージごとのMMRMを用いた共分散分析

副次評価項目:43日目におけるQMG総スコアのベースラインからの変化量

副次評価項目である43日目におけるQMG総スコアのベースラインからの変化量[最小二乗平均値(SE)]は、プラセボ群では-1.915(0.682)、リスティーゴ7mg/kg群では-5.398(0.679)、リスティーゴ10mg/kg群では-6.672(0.692)でした。

プラセボ群との間の差は、リスティーゴ7mg/kg群では-3.483[95%CI:-5.614-1.584](p<0.001)、リスティーゴ10mg/kg群では-4.756-6.821-2.859](p<0.001)でした。リスティーゴ7mg/kg群及びリスティーゴ10mg/kg群において、43日目のQMG総スコアに、プラセボ群と比べて統計学的に有意かつ臨床的に意味のあるベースラインからの減少がみられました(MMRMを用いた共分散分析)。

43日目におけるQMG総スコアのベースラインからの変化量(RS)
43日目におけるQMG総スコアのベースラインからの変化量(RS)

投与群、ベースラインのQMG総スコア、地域、層別因子[抗AChR(+/-)又は抗MuSK(+/-)]、評価時期と投与群との交互作用を固定効果、患者を変量効果とし、ステージごとのMMRMを用いた共分散分析

副次評価項目:43日目における、MG症状PROによる「筋力低下疲労」「身体疲労」「球筋力低下」スコアのベースラインからの変化量

副次評価項目である、43日目におけるMG症状PROによる「筋力低下疲労」スコアのベースラインからの変化量[最小二乗平均値(SE)]は、プラセボ群では-10.588(3.034)、リスティーゴ7mg/kg群では-23.029(3.034)、リスティーゴ10mg/kg群では-25.751(3.095)であり、プラセボ群との間の差は、リスティーゴ7mg/kg群では-12.441[95%CI:-21.804-4.089](p<0.001)、リスティーゴ10mg/kg群では-15.163-23.596-6.450](p<0.001)でした。

副次評価項目である、43日目におけるMG症状PROによる「身体疲労」スコアのベースラインからの変化量[最小二乗平均値(SE)]は、プラセボ群では-10.637(3.051)、リスティーゴ7mg/kg群では-19.287(3.046)、リスティーゴ10mg/kg群では-25.459(3.107)であり、プラセボ群との間の差は、リスティーゴ7mg/kg群では-8.650[95%CI:-18.058-0.134](p=0.012)、リスティーゴ10mg/kg群では-14.822-23.759-5.936](p<0.001)でした。

副次評価項目である、43日目におけるMG症状PROによる「球筋力低下」スコアのベースラインからの変化量[最小二乗平均値(SE)]は、プラセボ群では-3.519(2.397)、リスティーゴ7mg/kg群では-14.839(2.406)、リスティーゴ10mg/kg群では-14.224(2.464)であり、プラセボ群との間の差は、リスティーゴ7mg/kg群では-11.320[95%CI:-18.958-4.998](p<0.001)、リスティーゴ10mg/kg群では-10.705-17.787-3.998](p<0.001)でした。

リスティーゴ7mg/kg群及びリスティーゴ10mg/kg群において、43日目のMG症状PROによる「筋力低下疲労」「身体疲労」「球筋力低下」スコアに、プラセボ群と比べて統計学的に有意なベースラインからの減少がみられました(MMRMを用いた共分散分析)。

43日目における、MG症状PROによる「筋力低下疲労」「身体疲労」「球筋力低下」各スコアのベースラインからの変化量(RS)
43日目における、MG症状PROによる「筋力低下疲労」「身体疲労」「球筋力低下」各スコアのベースラインからの変化量(RS)

投与群、ベースラインのスコア、地域、層別因子[抗AChR(+/-)又は抗MuSK(+/-)]、評価時期と投与群との交互作用を固定効果、患者を変量効果とし、ステージごとのMMRMを用いた共分散分析

副次評価項目:43日目におけるMG-ADLレスポンダーの割合

副次評価項目である、43日目におけるMG-ADLレスポンダーの割合(ベースラインから2.0点以上の減少)は、リスティーゴ7mg/kg群では68.2%、リスティーゴ10mg/kg群では61.2%であり、プラセボ群の28.4%に対するオッズ比[95%CI]は、それぞれ5.765[2.100~14.882](p<0.001)、4.273[1.653~11.791](p<0.001)と、リスティーゴ両群ではレスポンダーの割合がプラセボ群に比べて有意に大きい結果でした(ロジスティック回帰)。

43日目におけるMG-ADLレスポンダーの割合(RS)
43日目におけるMG-ADLレスポンダーの割合(RS)
OR
オッズ比

投与群、ベースラインのMG-ADL総スコア、層別因子[抗AChR(+/-)又は抗MuSK(+/-)]を共変量とするロジスティック回帰

本剤の用法及び用量、特定の背景を有する患者に関する注意は以下の通り(電子添文から抜粋)

6.

用法及び用量

通常、成人にはロザノリキシズマブ(遺伝子組換え)として下表に示す用量を1週間間隔で6回皮下注射する。これを1サイクルとして、投与を繰り返す。

体重 投与量
50kg未満 280mg
50kg以上70kg未満 420mg
70kg以上100kg未満 560mg
100kg以上 840mg
9.

特定の背景を有する患者に関する注意(抜粋)

9.5

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。IgG抗体は胎盤通過性があることが知られており、本剤は妊娠カニクイザルにおいて、胎児に移行することが確認されたが、新生児に有害な影響は認められなかった。また、本剤の投与を受けた患者からの出生児においては、母体から移行するIgGが低下し、感染のリスクが高まる可能性がある。

9.6

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト乳汁中への移行は不明であるが、ヒト免疫グロブリンは乳汁中に移行することが知られている。