MG0003試験:安全性

本剤は、一部承認外の用法及び用量による臨床成績で評価され、承認されました。

そのため、承認されている「用法及び用量」と異なるデータが含まれます。

国際共同第Ⅲ相二重盲検比較試験(MG0003試験[検証的試験])

社内資料
国際共同第Ⅲ相二重盲検比較試験 MG0003試験(承認時評価資料)

Bril V et al.: Lancet Neurol. 2023; 22(5): 383–394.
(本試験はUCB Pharmaの資金提供を受けており著者に同社より研究資金や謝礼等を受領している者が含まれる)

安全性

各群におけるTEAEの発現状況は以下の通りでした。

TEAE発現例数(SS)
 
プラセボ群
(n=67)
リスティーゴ7mg/kg群
(n=64)
リスティーゴ10mg/kg群
(n=69)
リスティーゴ群合計
(n=133)
TEAE 45(67.2%) 52(81.3%) 57(82.6%) 109(82.0%)
治験薬と関連ありと判断されたTEAE 22(32.8%) 32(50.0%) 39(56.5%) 71(53.4%)
重篤なTEAE 6(9.0%) 5(7.8%) 7(10.1%) 12(9.0%)
治験薬の投与中止に至ったTEAE 2(3.0%) 2(3.1%) 4(5.8%) 6(4.5%)
死亡に至ったTEAE 0 0 0 0

発現例数(%)

TEAEの発現率は、リスティーゴ7mg/kg群では81.3%(52/64例)、リスティーゴ10mg/kg群では82.6%(57/69例)、プラセボ群では67.2%(45/67例)でした。主な事象(5%以上に発現)は、リスティーゴ7mg/kg群では頭痛(29例、45.3%)、下痢(16例、25.0%)、発熱(8例、12.5%)、悪心、高血圧(各5例、7.8%)、関節痛(4例、6.3%)、リスティーゴ10mg/kg群では頭痛(26例、37.7%)、発熱(14例、20.3%)、下痢(11例、15.9%)、悪心(8例、11.6%)、関節痛、上咽頭炎(各5例、7.2%)、筋肉痛、嘔吐(各4例、5.8%)、プラセボ群では頭痛(13例、19.4%)、下痢(9例、13.4%)、悪心(5例、7.5%)、尿路感染(4例、6.0%)でした。

治験薬と関連ありと判断されたTEAEの発現率は、リスティーゴ7mg/kg群では50.0%(32/64例)、リスティーゴ10mg/kg群では56.5%(39/69例)、プラセボ群では32.8%(22/67例)であり、主な事象(5%以上に発現)は、リスティーゴ7mg/kg群では頭痛(21例、32.8%)、下痢(12例、18.8%)、発熱(5例、7.8%)、リスティーゴ10mg/kg群では頭痛(22例、31.9%)、発熱(9例、13.0%)、下痢、悪心(各7例、10.1%)、プラセボ群では頭痛(12例、17.9%)、下痢(6例、9.0%)、悪心(4例、6.0%)でした。

重篤なTEAEの発現率は、リスティーゴ7mg/kg群では7.8%(5例7件:関節痛2件、胃炎、嘔吐、重症筋無力症、痙攣発作、子宮頚部上皮異形成、各1件)、リスティーゴ10mg/kg群では10.1%(7例8件:重症筋無力症2件、胸痛、遠隔転移を伴う扁平上皮癌、頭痛、医療機器位置異常、腎結石症、急性呼吸不全、各1件)、プラセボ群では9.0%(6例:重症筋無力症クリーゼ2例、COVID-19肺炎、胸椎骨折、筋力低下、重症筋無力症、各1例)でした。

治験薬の投与中止に至ったTEAEの発現率は、リスティーゴ7mg/kg群では3.1%(2例:関節痛、頭痛、各1例)、リスティーゴ10mg/kg群では5.8%(4例7件:下痢、上腹部痛、嘔吐、口腔ヘルペス、遠隔転移を伴う扁平上皮癌、そう痒症、深部静脈血栓症、各1件)、プラセボ群では3.0%(2例:重症筋無力症、重症筋無力症クリーゼ、各1例)でした。

本試験において、死亡に至ったTEAEは報告されませんでした。

本剤の用法及び用量、特定の背景を有する患者に関する注意は以下の通り(電子添文から抜粋)

6.

用法及び用量

通常、成人にはロザノリキシズマブ(遺伝子組換え)として下表に示す用量を1週間間隔で6回皮下注射する。これを1サイクルとして、投与を繰り返す。

体重 投与量
50kg未満 280mg
50kg以上70kg未満 420mg
70kg以上100kg未満 560mg
100kg以上 840mg
9.

特定の背景を有する患者に関する注意(抜粋)

9.5

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。IgG抗体は胎盤通過性があることが知られており、本剤は妊娠カニクイザルにおいて、胎児に移行することが確認されたが、新生児に有害な影響は認められなかった。また、本剤の投与を受けた患者からの出生児においては、母体から移行するIgGが低下し、感染のリスクが高まる可能性がある。

9.6

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト乳汁中への移行は不明であるが、ヒト免疫グロブリンは乳汁中に移行することが知られている。