投与手順
以下の手順に従って、患者さんが確実に自己注射できるよう指導を行ってください。
注射の準備
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室温に戻す
ジルビスクⓇのシリンジを冷蔵庫から出して30分以上室温に置きます。
この際、使用するシリンジのみを外箱から出して、残りは冷蔵庫に戻してください。
室温で保管している場合は、外箱から取り出してすぐに注射することができます。
なお、一度室温に保管したジルビスクⓇは、冷蔵庫に戻さないようにしてください。
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必要なものを準備する
注射のためのスペースを確保し、必要なものを準備します。
- 必要なものの例
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- ジルビスクⓇのシリンジ
- アルコール綿
- コットンまたはガーゼ
- 絆創膏(必要に応じて)
- ジルビスクⓇ 専用管理袋
患者さん向けの自己注射サポートツールとして、自己注射準備シートを患者さん向けサイトに掲載しております。
また、クイックガイドの裏面も自己注射準備シートとしてご使用いただけます。
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シリンジ・薬液を確認する
シリンジと中に入っている薬液を確認してください。
薬液の色は無色澄明です。薬剤が混濁している場合や異物が混入している場合は使用しないでください。また、以下に該当する場合は使用できません。
シリンジ内の気泡は異常ではありませんのでそのままお使いください。
- シリンジにひび割れ、液漏れ、破損がある
- ニードルキャップの破損、ひび割れがある
- ニードルキャップがシリンジにしっかり取り付けられていない
- 使用期限が切れている
- 室温で保管してから3ヵ月以上経過している
- プランジャーの色が処方された用量のシリンジの色と異なる
- 使用済みのシリンジである
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注射部位を選ぶ
注射部位は、腹部、大腿󠄀部の前面、上腕※から選び、毎回注射部位を変えます。やむを得ず同じ部位に注射する場合は、前回注射したところから少なくとも2.5cm以上離してください。
皮膚に異常のある部位(圧痛、発赤、あざ、硬結、瘢痕等の部位)および臍部から5cm以内には注射を行ってはいけません。
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手を洗う
手を石鹸と水でよく洗い、清潔なタオルやペーパーなどで拭いてください。
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注射部位の消毒
アルコール綿を使用して、注射部位を広めに拭き、10秒以上乾燥させてください。
消毒した注射部位には触らないでください。
注射の手順
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ニードルキャップを外す
片手でシリンジを持ち、もう一方の手でニードルキャップをまっすぐ引き抜きます。
一度外したニードルキャップは元に戻してはいけません。
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皮膚をつまみ、針を刺す
シリンジを持っていないほうの手で、消毒した皮膚をしっかりつまみます。つまんだ皮膚に対して、45°から90°の角度で針を刺します。針が完全に入ったら、シリンジは同じ位置で持ったまま、つまんだ皮膚を離します。
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プランジャーを押し込む
フィンガーグリップに指をかけたまま、プランジャーを完全に押し込みます。
これ以上押すことができないところまで押し込むと、すべての薬液を注射できます。
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プランジャーから指を離す
プランジャーから指をゆっくりと離すと、カチッという音が1回して、自動的に針がシリンジ内に引き込まれます。針がシリンジ内に引き込まれたことを確認し、注射部位からシリンジを離します。
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コットンまたはガーゼを押し当てる
注射部位にコットンまたはガーゼを約10秒間押し当ててください。コットンまたはガーゼを外し、注射部位から血が出ていないことを確認し、注射は終了です。
少し出血している場合や血がにじんでいる場合は、絆創膏を貼ってください。
廃棄方法
使用後のシリンジはジルビスクⓇ専用管理袋へ入れ、医療機関に持参するよう患者さんにご指導ください。
また、針先がシリンジ内に引き込まれていないシリンジ※はジルビスクⓇ専用管理袋には入れないようご指導ください。
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- 針先が引き込まれなかった場合もニードルキャップはつけ直したりせず、シリンジは一時的に針が刺さらないかたい容器(プラスチック容器やビンなど)に入れ、医療機関に持参するようご指導ください。
出張や旅行に行く際のサポートツール
患者さんが出張や旅行に行く際のサポートツールとして、「出張や旅行へ行く際の注意事項(薬剤携行証明書)」をご用意しています。
出張や旅行へ行く際の注意事項(薬剤携行証明書)はこちら