話題の論文ではアブストラクトを専門の先生に分かりやすく解説いただいています。日常診療に、是非お役立てください。 全身型重症筋無力症患者におけるジルコプランの安全性と有効性 : 第Ⅲ相無作為化プラセボ対照二重盲検試験 RAISE試験の結果よりSafety and efficacy of zilucoplan in patients with generalised myasthenia gravis (RAISE): a randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 3 study 7:54 磯部 紀子 先生 九州大学大学院医学研究院 神経内科学分野 教授 ジルコプランは2023年に承認された自己注射可能な皮下投与の補体C5阻害剤であり、治療のための通院の手間と時間を減らすことで患者さんのQoL改善が期待できます。RAISE試験では、抗AChR抗体陽性全身型MG患者さんを対象にジルコプランの有用性...続きを読む 全身型重症筋無力症患者におけるロザノリキシズマブの安全性と有効性 : 第Ⅲ相無作為化プラセボ対照二重盲検試験 MycarinG試験の結果よりSafety and efficacy of rozanolixizumab in patients with generalised myasthenia gravis (MycarinG): a randomised, double-blind, placebo-controlled, adaptive phase 3 study 7:47 磯部 紀子 先生 九州大学大学院医学研究院 神経内科学分野 教授 ロザノリキシズマブは、2023年に上市されたFcRnのIgG結合領域を標的とするヒト化モノクローナル抗体です。MycarinG試験では、抗AChR抗体陽性および抗MuSK抗体陽性全身型MG患者さんを対象にロザノリキシズマブの有用性が検討され、臨床的有用性...続きを読む 重症筋無力症患者における抑うつと不安の有病率 : システマティックレビューとメタ解析Prevalence of depression and anxiety among myasthenia gravis (MG) patients : A systematic review and meta-analysis 4:50 中根 俊成 先生 富山大学 学術研究部医学系 脳神経内科 重症筋無力症(MG)の患者さんがQoLを維持しながら治療を進めるためには、抑うつや不安の有病率を把握しておく必要がありますが、現時点においてそうした疫学情報は限定的です。本研究では、MG患者さんの抑うつや不安の有病率に関する初めてのシステマ...続きを読む 重症筋無力症患者の社会、職業、神経精神症状に関する問題Social, professional and neuropsychiatric outcomes in patients with myasthenia gravis 7:05 中根 俊成 先生 富山大学 学術研究部医学系 脳神経内科 重症筋無力症(MG)さんの社会的・職業的な予後は、日常診療においてでさえも見逃されやすく、過小評価されており、患者さんがこうしたMGによるあらゆる問題をどのように受け止めるかは、治療マネジメントにも影響します。本研究では、ブラジルにてMG...続きを読む 10年間の重症筋無力症患者の縦断的研究における健康関連QoLの長期成績Long-term outcome in patients with myasthenia gravis : one decade longitudinal study 6:26 増田 眞之 先生 東京医科大学 神経学分野 脳神経内科 兼任教授 重症筋無力症(MG)には、患者さんの日常生活を制限し、QoLに影響を及ぼすさまざまな症状があることが知られています。近年、論文によっては約半数の患者さんで寛解に近い状態を達成すると報告されています。しかし、寛解を達成することと良好なQoLを...続きを読む 身体的疲労と精神的疲労が重症筋無力症患者のQoLに与える影響Physical and mental fatigue in myasthenia gravis and its correlation with other symptoms 6:10 増田 眞之 先生 東京医科大学 神経学分野 脳神経内科 兼任教授 筋力低下と易疲労性は重症筋無力症(MG)の臨床的特徴であり、日常診療においては主に筋力低下に由来する身体的疲労に焦点を当てた経過フォローや治療戦略が立てられます。しかし、身体的疲労のほかにMG患者さんでもよくみられる精神的な疲労感が...続きを読む 重症筋無力症におけるMM-5mgとQoLの関連:Japan MG Registryの2021年横断的調査結果からJapan MG Registry: Chronological surveys over 10 years 5:22 増田 眞之 先生 東京医科大学 神経学分野 脳神経内科 兼任教授 「重症筋無力症/ランバート・イートン筋無力症候群診療ガイドライン2022」では、QoLに重点を置いた治療目標としてMM-5mg「1 日あたりのプレドニゾロン5mg 以下で軽微症状(MM)レベル以上」が推奨されており、そのために早期速効性治療戦略(EFT)が有効と...続きを読む