リスティーゴ Q&A

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抗FcRn モノクローナル抗体製剤


リスティーゴ
  • リスティーゴ皮下注280mg
リスティーゴは1週間間隔での投与ですが、1週後に来院できない場合、何日くらい前後できますか。

電子添文に記載のとおり、1週間間隔で投与してください。

<引用>
リスティーゴ皮下注280mg 電子添文

JP-RZ-2400008

リスティーゴの体重50kg未満の患者への投与量はロザノリキシズマブとして280mgとなっていますが、体重の下限はありますか。

体重の下限は設定されていません。

リスティーゴの投与量

リスティーゴの承認された用量はロザノリキシズマブとして7mg/kg相当注)です。

注)

リスティーゴで承認されている「用法及び用量」は以下のとおりである。

「通常、成人にはロザノリキシズマブ(遺伝子組換え)として下表に示す用量を1週間間隔で6回皮下注射する。これを1サイクルとして、投与を繰り返す。」

体重 投与量
50kg未満 280mg
50kg以上70kg未満 420mg
70kg以上100kg未満 560mg
100kg以上 840mg

本剤の国際共同第Ⅲ相試験(MG0003試験、MycarinG)では体重35kg以上の全身型重症筋無力症(gMG)患者が組み入れ対象であり、組み入れられた患者の最低体重は37.7kgでしたが、日本人成人の体重分布を踏まえると、実臨床においては、体重30kg程度の成人患者がいることも想定されることから、母集団薬物動態(PPK)/薬力学(PD)モデル(CL0534解析)に基づき、体重30kgの患者にロザノリキシズマブ280mgを投与したときの血漿中濃度をシミュレーション※1しました。その結果、定常状態時のロザノリキシズマブの曝露量の推定値(中央値[5パーセンタイル, 95パーセンタイル])は、Cmaxで22.11[2.59, 78.38]μg/mL、AUCtauで72.82[7.77, 390.89]μg·day/mLであり、MG0003試験における7mg/kg相当群又は10mg/kg相当群注)での各患者の定常状態時のCmax及びAUCtauの推定値(表27)の5~95パーセンタイルの範囲内でした。

以上を踏まえ、体重35kg未満の患者に対してロザノリキシズマブ280mgを投与することは臨床薬理学的観点から妥当であり、本剤の申請用法・用量において、体重の下限を設定しないことが妥当と考えました。

※1
体重30kgの400例の仮想集団にロザノリキシズマブ280mgを週1回6回皮下投与したときの血漿中濃度をシミュレーションした。
表27
PPK/PDモデルに基づく、MG0003試験の7mg/kg相当群または10mg/kg相当群における各被験者のCmax及びAUCの推定値
  投与量(mg) 例数 Cmax(μg/mL) AUCtau(μg·day/mL)
7mg/kg
相当群
280 7 7.77 [4.08, 29.2] 17.0 [9.73, 122]
420 18 18.9 [8.34, 30.2] 56.6 [17.4, 89.5]
560 25 24.2 [0.952, 43.6] 77.7 [3.12, 159]
840 14 15.7 [3.18, 60.4] 52.6 [9.13, 256]
10mg/kg
相当群
420 1 19.5a) 56.8a)
560 25 39.7 [5.23, 68.0] 125 [13.9, 321]
840 24 47.3 [24.7, 106] 200 [72.0, 588]
1120 19 48.9 [27.4, 71.4] 191 [109, 335]

中央値 [5パーセンタイル, 95パーセンタイル]

a)
個別値

(参照:PMDA審査報告書 6.R.2 臨床薬理学的観点からの用法・用量の適切性について)

注)

リスティーゴの承認された用量はロザノリキシズマブとして7mg/kg相当です。

リスティーゴで承認されている「用法及び用量」は以下のとおりである。

「通常、成人にはロザノリキシズマブ(遺伝子組換え)として下表に示す用量を1週間間隔で6回皮下注射する。これを1サイクルとして、投与を繰り返す。」

体重 投与量
50kg未満 280mg
50kg以上70kg未満 420mg
70kg以上100kg未満 560mg
100kg以上 840mg
<引用>
リスティーゴ皮下注280mg 電子添文
PMDA審査報告書(令和5年8月8日)※2-6.R.2 臨床薬理学的観点からの用法・用量の適切性について
※2
審査報告書はPMDAサイトからご確認ください。

JP-RZ-2400008

リスティーゴの用法及び用量の設定根拠について教えてください。

本剤の投与経路は皮下投与です。ヒト初回投与試験である第Ⅰ相臨床試験(UP0018試験)で本剤を静脈投与及び皮下投与したときに認められた安全性プロファイルに基づき、その後の臨床開発プログラムでは皮下投与製剤の開発が進められました。

本剤のgMG患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験プログラム(MG0003試験、MG0004試験、MG0007試験)では、投与及び調製を簡便にするため4つの体重カテゴリ(35kg以上50kg未満、50kg以上70kg未満、70kg以上100kg未満、100kg以上)別に固定用量で投与しました。体重カテゴリごとに規定した固定用量は、ロザノリキシズマブ7mg/kg相当又は10mg/kg注)相当とし、第Ⅰ相臨床試験(UP0018試験)、第Ⅱa相臨床試験(MG0002試験)及び一次性免疫性血小板減少症患者を対象とした第Ⅱ相臨床試験(TP0001試験)において、体重の範囲を通じて認められた、体重当たりの用量(mg/kg)による有効性及び安全性データとともに、PD[免疫グロブリンG(IgG)]に対する効果が再現されるよう選択されました。

検証的試験であるMG0003試験では、検討した本剤の2用量(ロザノリキシズマブ7mg/kg相当及び10mg/kg注)相当)ともに臨床的有効性が確認され、治験薬投与後に発現した有害事象(TEAE)の発現率は、MG0003試験では7mg/kg群で81.3%(52/64例)、10mg/kg注)群で82.6%(57/69例)でした。また、反復治療サイクル(1週間間隔で6回皮下注射)におけるTEAEの発現率は7mg/kg群で77.4%(103/133例)、10mg/kg注)群で91.6%(120/131例)でした。高度なTEAEの発現率は、MG0003試験の7mg/kg群で4.7%(3/64例)、プラセボ群で4.5%(3/67例)であり、10mg/kg注)群では18.8%(13/69例)でした。この傾向は反復治療サイクルでも認められました[7mg/kg群で9.0%(12/133例)、10mg/kg注)群で29.8%(39/131例)]。

このように、7mg/kg相当と比較して10mg/kg注)相当でベネフィットの増加は認められなかったため、最適なベネフィット・リスクの投与量は7mg/kg相当と考えられました。

以上より、本剤の用法及び用量は、体重カテゴリに基づくロザノリキシズマブ7mg/kg相当の固定用量を1回の投与量として1週間間隔で6回皮下注射し、これを1サイクルとして、投与を繰り返すこととしました。

注)

リスティーゴの承認された用量はロザノリキシズマブとして7mg/kg相当です。

リスティーゴで承認されている「用法及び用量」は以下のとおりである。

「通常、成人にはロザノリキシズマブ(遺伝子組換え)として下表に示す用量を1週間間隔で6回皮下注射する。これを1サイクルとして、投与を繰り返す。」

体重 投与量
50kg未満 280mg
50kg以上70kg未満 420mg
70kg以上100kg未満 560mg
100kg以上 840mg
<引用>
リスティーゴ皮下注280mg インタビューフォーム

JP-RZ-2400008

リスティーゴの作用機序について教えてください。

本剤はIgGの胎児性Fc受容体(FcRn)への結合阻害により、IgGのリサイクリング及びトランスサイトーシスを阻害し、血清中総IgG濃度を低下させます。

<引用>
リスティーゴ皮下注280mg 電子添文
(詳細)

本剤の有効成分であるロザノリキシズマブは、FcRnに対する遺伝子組換えヒト化免疫グロブリン(Ig)G4Pモノクローナル抗体です。ロザノリキシズマブの構造は、鎖交換(IgGの重鎖・軽鎖対に解離が生じた後、特異性の異なるIgG4の同等の重鎖・軽鎖対と再会合すること)の発生を低減するため、IgG4重鎖配列の225番目のセリンをプロリンに変異させ、ヒンジ領域を改変しています。また、アルブミンとFcRnとの結合を阻害せずにIgGとFcRnとの結合を特異的に阻害するようにデザインされています。

ロザノリキシズマブの構造
ロザノリキシズマブの構造

CH=重鎖定常領域、CL=軽鎖定常領域、Fab=抗原結合フラグメント、Fc=結晶性フラグメント、VH=重鎖可変領域、VL=軽鎖可変領域

ロザノリキシズマブは、FcRnとの結合部位でIgGとFcRnとの結合を競合的に阻害することにより、IgGのリサイクリング及びトランスサイトーシスを阻害し、血清中総IgG濃度を低下させます。

この機序により、gMGに伴う病原性IgG自己抗体の濃度を低下させます。

ロザノリキシズマブの作用機序
ロザノリキシズマブの作用機序

ロザノリキシズマブは中性及び酸性pH両方の条件下でFcRnに高い親和性で結合します。恒常的に細胞内へ飲細胞運動により取り込まれるIgGはエンドソーム内の酸性pH下でもFcRnへ結合できないため、リサイクルされずにリソゾームに運ばれ分解されます。

<引用>
リスティーゴ皮下注280mg インタビューフォーム

JP-RZ-2400008

リスティーゴの主な副作用(頭痛、下痢、発熱)について教えてください。発現機序臨床試験

本剤の主な副作用として、頭痛(頭痛、片頭痛)(36.7%)、下痢(20.7%)、発熱(12.8%)等が報告されています。

なお、頭痛、発熱は薬剤性無菌性髄膜炎の臨床症状でもあります。本剤投与中は、観察を十分に行い、薬剤性無菌性髄膜炎の臨床症状(頭痛、発熱、頚部硬直、吐き気、嘔吐等)及び徴候に注意し、異常が認められた場合には投与を中止する等、適切な処置を行ってください。

<引用>
リスティーゴ皮下注280mg 電子添文

① 発現機序

頭痛、下痢、発熱の発現機序は不明です。

② 臨床試験

■国際共同第Ⅲ相試験(MG0003試験、MycarinG)

ロザノリキシズマブ7mg/kg相当群では頭痛32.8%(21/64例)、下痢18.8%(12/64例)、発熱7.8%(5/64例)、10mg/kg注)相当群では頭痛31.9%(22/69例)、発熱13.0%(9/69例)、下痢、悪心が各10.1%(7/69例)でした。

注)

リスティーゴの承認された用量はロザノリキシズマブとして7mg/kg相当です。

リスティーゴで承認されている「用法及び用量」は以下のとおりである。

「通常、成人にはロザノリキシズマブ(遺伝子組換え)として下表に示す用量を1週間間隔で6回皮下注射する。これを1サイクルとして、投与を繰り返す。」

体重 投与量
50kg未満 280mg
50kg以上70kg未満 420mg
70kg以上100kg未満 560mg
100kg以上 840mg
<引用>
リスティーゴ皮下注280mg 電子添文
■国際共同長期継続投与試験(MG0007試験)

ロザノリキシズマブ7mg/kg相当群では頭痛19.4%(19/98例)、下痢11.2%(11/98例)、発熱3.1%(3/98例)、10mg/kg注)相当群では頭痛31.3%(30/96例)、下痢17.7%(17/96例)、発熱10.4%(10/96例)でした。

注)

リスティーゴの承認された用量はロザノリキシズマブとして7mg/kg相当です。

リスティーゴで承認されている「用法及び用量」は以下のとおりである。

「通常、成人にはロザノリキシズマブ(遺伝子組換え)として下表に示す用量を1週間間隔で6回皮下注射する。これを1サイクルとして、投与を繰り返す。」

体重 投与量
50kg未満 280mg
50kg以上70kg未満 420mg
70kg以上100kg未満 560mg
100kg以上 840mg
<引用>
リスティーゴ皮下注280mg インタビューフォーム

JP-RZ-2400008

国際共同第Ⅲ相試験(MG0003試験、MycarinG)の主な選択基準・除外基準を教えてください。

■主な選択基準

  • 18歳以上の男性又は女性
  • スクリーニング時に
    • 既往歴又は過去の検査結果に基づき、gMGと診断されている
    • 抗アセチルコリン受容体(AChR)抗体又は抗筋特異的受容体型チロシンキナーゼ(MuSK)抗体陽性が既に確認されている
    • 米国重症筋無力症研究財団[MGFA(Myasthenia Gravis Foundation of America)]分類のClassⅡ~Ⅳaに該当する
    • 体重が35kg以上
  • スクリーニング時及びベースライン時の両時点で、重症筋無力症-日常生活動作[Myasthenia Gravis-Activities of Daily Living(MG-ADL)]総スコアが3以上(眼症状以外の項目で3以上)かつ定量的重症筋無力症[Quantitative Myasthenia Gravis(QMG)]総スコアが11以上

■主な除外基準

  • スクリーニング時又はベースライン時に、口腔咽頭筋若しくは呼吸筋に影響を及ぼす重度の筋力低下(MG-ADLスケールのGrade 3)又は重症筋無力症クリーゼ若しくは切迫クリーゼを有する
  • 血清中総IgG濃度が5.5g/L以下
  • 好中球絶対数が1500cells/mm3未満
<引用>
リスティーゴ皮下注280mg インタビューフォーム

JP-RZ-2400008

リスティーゴの保存方法を教えてください。温度を逸脱した場合

本剤は、凍結を避けて、2~8℃の冷蔵庫で保存してください。外箱に入れた状態で遮光保存してください。

<引用>
リスティーゴ皮下注280mg 電子添文

① 温度を逸脱した場合

  • 9~25℃以下

    やむを得ない事情で、冷蔵庫から出して25℃以下で保存する場合には、30日以内に使用してください。外箱に入れた状態で遮光保存してください。

    また、2~8℃を超えて25℃以下での保存に変更した日から30日以内、又は外箱に表示の使用期限のうち、短い方の期限内に使用してください。

  • 2℃未満、25℃超

    本剤を、25℃を超えた状態で保存した場合、2℃未満で保存した場合又は凍結させた場合は、使用することはできません。

<引用>
リスティーゴ皮下注280mg 電子添文

JP-RZ-2400008

リスティーゴの国際共同第Ⅲ相試験(MG0003試験、MycarinG)における有効性及び安全性について教えてください。
他剤(標的治療薬等)、血漿交換(PLEX)、免疫グロブリン療法(IVIg)からリスティーゴへの切り替え時のウォッシュアウト期間を教えてください。

電子添文上、他剤(標的治療薬等)、PLEX、IVIgから本剤への切り替え時のウォッシュアウト期間は規定されていません。

<引用>
リスティーゴ皮下注280mg 電子添文

JP-RZ-2400008

高齢者、腎機能障害患者、肝機能障害患者では、リスティーゴの投与量の調整は必要ですか。

電子添文上、特定の背景を有する患者に関する注意の項目に、高齢者、腎機能障害患者、肝機能障害患者の規定はありません。

高齢者、腎機能障害患者、肝機能障害患者において用量調整は必要ないと考えられます。

<引用>
リスティーゴ皮下注280mg 電子添文

JP-RZ-2400008

リスティーゴの過量投与について教えてください。

本剤を過量投与した場合の症状に関するデータはありません。

<引用>
リスティーゴ皮下注280mg インタビューフォーム

JP-RZ-2400008