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CQ3-4 全般てんかんで避けるべき抗てんかん薬はどれか

要約

カルバマゼピンでミオクロニー発作や欠神発作が増悪するため、特発性全般てんかんには使用されない。フェニトインは強直間代発作の増悪、ガバペンチンはミオクロニー発作の増悪がある。ベンゾジアゼピン系薬物はLennox-Gastaut症候群で強直発作を増悪することがある。

解説

進行性ミオクローヌスてんかん症候群(progressive myoclonus epilepsy : PME)の代表的疾患であるUnverricht-Lundborg病では、フェニトインの使用により、当座の発作の抑制には効果的であるが生命予後を悪くするという大規模研究がある。PMEでのフェニトイン服用は小脳失調の顕著な悪化をきたすので、使用を避けることが望ましい。

新規発症てんかんの選択薬と慎重投与すべき薬剤(一部改変※1
発作型 第一選択薬 第二選択薬 慎重投与すべき薬剤
発作型:部分発作 第一選択薬:カルバマゼピン、ラモトリギン、レベチラセタム、ゾニサミド、トピラマート 第二選択薬:フェニトイン、バルプロ酸、クロバザム、クロナゼパム、フェノバルビタール、ガバペンチン、ぺランパネル、ラコサミド  
発作型:強直間代発作
間代発作
第一選択薬:バルプロ酸(妊娠可能年齢女性は除く) 第二選択薬:ラモトリギン、レベチラセタム※2、トピラマート、ゾニサミド、クロバザム、フェノバルビタール、フェニトイン、ぺランパネル、ラコサミド※2 慎重投与すべき薬剤:フェニトイン
発作型:欠神発作 第一選択薬:バルプロ酸、エトスクシミド 第二選択薬:ラモトリギン 慎重投与すべき薬剤:カルバマゼピン、ガバペンチン、フェニトイン
発作型:強直発作
脱力発作
第一選択薬:バルプロ酸 第二選択薬:ラモトリギン、レベチラセタム、トピラマート 慎重投与すべき薬剤:カルバマゼピン、ガバペンチン
  • ※1「てんかん診療ガイドライン 2018」の表記を一部変更。
  • ※2他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の強直間代発作に対する抗てんかん薬との併用療法

日本神経学会「てんかん診療ガイドライン」作成委員会 編:「てんかん診療ガイドライン 2018追補版」P.31, 医学書院, 2018

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