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CQ3-6 内科疾患の合併時の選択薬はなにか

要約

①腎機能障害および肝機能障害を合併した患者では、抗てんかん薬の肝代謝(バルプロ酸、フェニトイン、カルバマゼピン、フェノバルビタール、ベンゾジアゼピン系)、肝腎代謝(トピラマート、ラモトリギン、ラコサミド)、腎代謝(ガバペンチン、レベチラセタム)を考慮して、抗てんかん薬を選択する。
②フェニトイン、カルバマゼピンでの心伝導系異常の悪化、カルバマゼピン、バルプロ酸での低Na血症の悪化が懸念される。
③フェニトイン、カルバマゼピンでの免疫疾患への影響、フェノバルビタール、ゾニサミド、カルバマゼピン、トピラマートでの認知機能の低下、バルプロ酸によるパーキンソン症状の出現が報告されている。
④低アルブミン血症患者でフェニトインを使用すると、アルブミン結合率が低下し遊離型を増加して作用が増強される。

解説

既存抗てんかん薬の多くは肝代謝であったが、新規抗てんかん薬では、腎代謝薬剤が少なくない。
低アルブミン血症で遊離型の割合が増加する問題点は、臨床的にはフェニトインが最も重要である。バルプロ酸も同様であるが、臨床的に問題となることは前者ほどではなく、またフェニトインと併用時の競合作用では、バルプロ酸とアルブミンとの結合が強くフェニトインの遊離型が増加する。

日本神経学会「てんかん診療ガイドライン」作成委員会 編:「てんかん診療ガイドライン 2018追補版」P.34, 医学書院, 2018

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